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第333話星帝ラグア・エルライド・イグロシアル2


翌日…

俺は玉座の間から退室していくセリー達四天王を見送る。

昨日は誰かのおかげで完全にめちゃくちゃだった。


そして総統の件だが俺は結論から言うと保留にした。

実力では完全にライナーが相応しいが、それ以外の面ならセリーの方が相応しい。

決めかねた俺は結論を完全に保留にした。

それにライナーかセリーのどっちかを選べばいらない軋轢を生みかねない。


結果…


「エリスの空席、総統は今のところ保留だ。それにエリスは星王にはなったが、俺の腹心であり大事な片腕なのは変わらない。今のところはそれで大きな問題はないはずだ」


俺はセリー達にそう言って考えることを放棄した。




さて、めんどうな問題も片付いたところでいよいよミグの黄泉の神の検証だ。

ちなみに今回俺が検証したい事は2つある。

1つは黄泉の神が正常に作動するかだが、これはおそらく問題ないはずだ。

実験もかねてまずは…


俺が玉座でそんな事を考えていた時だ。

玉座の間にノックの音がする。


「入れ」


俺は短くそう言った。


「ラグア様、失礼します」


「カティアか。どうした?お前がここに来るなんて珍しいじゃねーか」


基本的に普段カティアは、呼ばない限り玉座の間にはこない。

まあカティアには別に来るなって言ってる訳じゃねーし、来ても一向に構わねーけどな?

脳内性欲しかない色ボケ女だが、こんなのでもこの世界ではじめての友だ。

まあ、散々な評価だが俺の認識は間違ってないはずだ。


「星帝ラグア様、惑星国家イグロシアルの建国おめでとうございます」


「ああ、その事か。若干不本意だが、わざわざありがとな。で?お前はその事を言いにきたのか?」


俺はカティアに問う。

俺の言葉でカティアの顔に緊張が走る。


「じっ実はラグア様にお願いが…」


俺はカティアが言い終わらないうちに答える。


「なんだ?お前の頼みなら大体は叶えてやるぞ?また男か?なら適当なイケメンを100人ぐらい見繕ってきてやる。待ってろ1時間もあれば手配できる」


「いやっそうではなく…」


「まさかお前…」


俺は否定したカティアに若干の殺気をぶつける。


カティアはそれだけ震え上がり漏らしそうになるが、なんとか堪える。

カティアもシュドレに約束した以上、ここで引き下がるわけにはいかなかった。

だが、次にラグアの口から出た言葉はカティアの予想の斜め上のものだった。


「ノーマンみてえに、わけのわからねー企画書の山を持ち込むつもりじゃねーだろーな?」


「は、はあ?」


カティアは素っ頓狂な声をあげた。



〜数分後〜


カティアの頼みはシュドレの両親を生き返らせてほしいというものだった。

俺はまたカティアがノーマンのバカに毒されて新しい娯楽施設の建設書類や、娯楽商品をまとめた山のような企画書を持ってくるのかと思った。


「ああ、シュドレの両親を生き返らせる?それぐらいなら別にいいぞ?ならシュドレを呼んでおけ。ついさっきミグは神級に至った。すぐにとりかかる。シュドレの両親を生き返らせるにはシュドレの記憶が必要だ」


「わかりました。ありがとうございます」


カティアは玉座の間から退室する。


シュドレの両親か。

どんなヤツかは知らないが、元々ミグの黄泉の神の検証に3人ぐらいは生き返らせるつもりだった。

ちなみに最後の1人はゴルド・シーマだ。

かつてエリスと共に出撃させ、シーラに返り討ちにあった海底都市を収める俺の特別幹部だ。


俺はそんな事を考えながらシュドレが来るのを待つ。

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