第332話星帝ラグア・エルライド・イグロシアル
「リーゼ、てめえやってくれたなっ!!」
俺は解散した玉座の間に残ったリーゼを怒鳴りつけた。
「ごめんねパパ。でもパパは甘すぎるよ。この組織は横に広がり過ぎた。一度完全な縦社会に再編しなおす必要があったからね?」
「だからってやりすぎなんだよっ!!」
俺は叫んだ。
ちなみに星王に任命されたのは…
ノーマン・ゲンガン・イグロシアル
カティア・ドーラス・イグロシアル
エリス・イグロシアル
フィローラ・イグロシアル
バルト・シアンズ・イグロシアル
ミグ・ヒピー・イグロシアル
シーラ・ベルネイア・イグロシアル
そしてウリン・ドーラス・イグロシアル
の八名だ。
ウリンはドワーフ国家、ドーラス王国の代表として星王になっている。
他の5王…カティアは重複しているから正確には残り三名は今のところは入っていない。
これはリーゼ曰く、ウリン達の発言権が強くなりすぎるのを防ぐ為だそうだ。
まあ、それは分からなくもないが…
「そんで?お前が星帝皇女でルルが星帝皇后と?」
ちなみにリーゼの今回の暴走でお飾りのエルライド王国女王、アリエル・エルライドは完全引退させられた。
「うんそうだよ」
リーゼは悪びれもなく答えた。
俺は大きく溜息をつく。
これ以上このバカ…いや、完全に引っ掻き回されて星帝に担ぎあげられた俺よりたぶんリーゼの方が頭はいいのだろうが、コイツに何を言っても無駄だと言う事だけはわかる。
「もういい。説教は終わりだ行け」
俺はそう言ってリーゼに退室を促す。
俺はリーゼに説教しようとしたがリーゼは…
「じゃーエリスにさっきのは無しでって言ってこよーか?」
の一言で形勢をひっくり返された。
あそこまで大口叩いて言えるわけねーだろ。
俺の信用問題になるわ。
それにいくらなんでも、俺に評価してもらったって思って喜んでるエリスにそんな死刑宣告を言う程俺は鬼畜じゃねー。
この時点で親子喧嘩は俺の完全敗北が決定した。
〜
俺は玉座に1人座る。
本当はミグのスキルの検証をしたかったが今日は何もしたくなかった。
主にリーゼのせいで…
その時、玉座の間にノックの音が響く。
「入れ」
俺は短く言った。
入ってきたのはライナー、セリー、フィリア、フィリムの最高幹部四天王のメンバーだ。
代表してセリーが言う。
「ラグア様、エリス様の星王就任、大変喜ばしく思います。ですがエリス様の星王就任に伴い、空席となった総統の席ですがいかが致しましょう?」
リーゼの後始末はまだ終わってなかった。
俺は頭が痛くなる。
「セリー、俺は今は忙しいから明日にしろ」
俺は言った。
クソっ
なんでアメーバなのに頭痛がするんだよ。
「大変失礼しました。明日また出直して参ります」
そう言ってセリー達は出て行く。
つーか四天王から総統選んだら今度は四天王が空席になるじゃねーかよ…
クソっ、リーゼのヤツ本当にやってくれたわ。
俺は思うのだった。




