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第325話古き時代のアルムス31


「ラグア殿、結果を報告するわね。プロトクローンの識別ナンバーと逆探知によって、誰が連れ去られたのかと現在地からどこの勢力がやったのかはわかったわ。さすがに実行犯まではわからなかったけど…」


ウリンは今回の事はこれで水に流してと言外に言ってきた。


「上出来だ。今回は説教はやめといてやるよ」


俺の言葉にウリンは安堵の表情を見せるが、すぐに表情を戻す。


「…報告に移るわ。まず連れ去られたのはプロトセリー、個体識別ナンバー、A-12…」


いや、そんなのお前にしかわかんねーだろ。

俺は突っ込みたい気持ちを抑えながらウリンの説明を聞く。


「…ってのは特定できたわ。プロトクローンはそれぞれ生まれた順番に個体識別ナンバーがあって例えばセシルの個体識別ナンバーはA-1だけど…」


「いやそこはまた今度でいい。続きを聞かせろ」


俺はウリンの話が大幅に脱線しそうになったところで止めに入った。

そもそもそんな情報はいらん。

プロトセリーが誘拐されたってだけで十分だ。


「わかったわよ。じゃープロトクローンにはいざと言う時に現在地がわかるように、登録した細胞の経過時間、そして細胞自体が発する生命反応を感知する事によって…」


「簡潔に話せ」


明らかに長くなりそうなので俺は言った。


「…簡単に言うと発信機って言うのは正確には違うんだけど、それに近いものがあってこちらからいつでも逆探知できるわけ。そしてそこからの位置情報から陣営を割り出すとプロトセリーA-12を連れ去ったのは、この時代のアルムスの最有力陣営、大魔王、ラグア・ベルゼ・アルムスとなるわ」


それを早く言え。

前置きが長すぎるんだよ。

俺は思うのだった。




ラグアがウリンとそんなやりとりをしている頃…


〜大魔王、ラグア・ベルゼ・アルムス居城、デモン・オブ・ラグア、玉座の間〜


「失礼いたします」


部屋に金髪の男、ロロ・ベアトリクスが入室する。

小脇にはプロトセリーを抱えたまま…


「ロロなんだそれは?ここをどこかと間違えてるのか?ここは偉大なる邪神エリローズ様と大魔王ラグア様がおられる玉座の間だ。自由な入室を許されてるのは、アルムスができたばかりの頃からお仕えしている俺達三元魔だけだ。誰だそれは?もしくだらない用で連れてきたのならいくらお前でも…」


殺すと…

大魔王、ラグア・ベルゼ・アルムス、三元魔、妖元テオレーム・クリムゾンは小脇に抱えているプロトセリーを見るなり言った。


「そもそもお前とソドムがいがみあっているから…」


「ロロ、それとこれとが一体なんの関係があるのか俺にはわからないな?」


ロロが言い返そうとした時だ。

2つある玉座の1つに座る人物が言う。


「テオレーム、まずはロロの話を聞こうぜ?ロロだって大した理由も無しにその気絶して抱えられてる正体不明の女を連れてきたりしねーんじゃねーか?…ってオレ様は思うぜ?なあ、エリローズ?」


「そうですね。ラグアの言う通り、私もロロの話に興味があります。ロロ、何か報告があるのでしょう?」


ラグアに続き、エリローズまでがロロの話を促した事により、テオレームは引き下がる。


玉座の間はロロの言葉を待つ様に静寂に包まれるのだった。


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