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第312話カティアとシュドレ


「いきなり悪いなカティア。少し話せるか?」


シュドレは言った。

エルライド王国内での立場はカティアの方が遥かに上だが、ラグアが姿を消して約30年…

同じ転生者と言う事もありシュドレの口調は砕けていた。


「いいわ。ミリア、下がって」


カティアはミリアを下がらせる。




「それで何の用?私の魅力に気づいて求婚に来たわけじゃないんでしょ?」


カティアは言いながら、ふざけてシュドレに魅了の魔眼をぶっ放すが当然弾かれる。


「どさくさに紛れて魅了の魔眼を撃つな。俺もお前も担当の神様のおかげで、神級に片足を突っ込んでいる時点でそんなものは効かない。それに俺はお前好みの線の細いイケメンって訳でもないだろ?」


そう言うシュドレもかなり整った顔立ちをしているが、線の細いイケメンかと言うと首を傾げざるおえない。

どちらかと言うと健康的なイケメンと言うべきだろうか。


「シュドレもけっこう私の好みなんだけどな?今夜一晩どう?後悔させないわよ?」


「やめとくよ。50人以上いるお前の旦那が泣くしな?なんならお前を気に入ってるラグア様でも誘惑してみたらどうだ?」


シュドレの軽口にカティアは一瞬で真顔になる。


「シュドレは私に死ねって言ってるの?」


「ははっ、そこは同感だな。でここからが本題だ。俺はラグアを討ちたい。協力してくれないか?」


「ごめん、聞こえなかった。もっかい言って?」


カティアはシュドレから出た言葉が信じられずに聞き返した。


「俺は魔王ラグアを討ちたい。アイツは父の仇だ。俺はアイツを討つ為にこの組織に入り込んだ。お前には協力してほしい。頼む」


シュドレは深々とカティアに頭を下げる。


「はっ!?シュドレあんたバカじゃないのっ!?あんな…あんな…」


カティアは顔面を蒼白に変えながら驚愕している。


「俺も自分でバカな事を言っているとは思っている。だからどうしてもとは言わない。だが、チャンスは今しかない。どうゆうわけか前回の戦い以降エリローズが出てきていない。まあ、俺だって犬死するつもりはない。今の俺の力じゃゼギウスさんの話じゃ万に一つどころか兆に一つも勝ち目どころかまともにダメージすら与えられない。それにアイツは不滅のオリジンゴッドらしいからそもそも死なないらしい」


「だったら何を…」


「そっちは俺に任せろ。一応いくつかの条件が重なればなんとかする方法は考えてある。そして具体的に何をしてほしいかだが…」


シュドレはそこで一度言葉を切る。


「カティアにはエリスを討ってほしい」


シュドレは言ったのだった。

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