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第311話古き時代のアルムス19


「それで師匠?まずはどうするの?」


ミグは待ちきれないとばかりに言った。


ミュラの両親とその国を森羅万象でイグロシアルに置いてきた後、ジオの国とギゼル達の方は順調に進んで既にイグロシアルで森羅万象を解除した。

俺達は現在、イグロシアルにあるエルライド王国に戻ってきている。

ちなみに無人のアルムスにはまたプロトクローンを防衛に置いてきた。

前回失敗したので今回は一度実績のあるプロトセリー、プロトエリス、プロトライナーシリーズを三体動員した。

ちなみにセシル達ではない。

名前を与えた以上、アイツらを使い潰すつもりはない。


俺は答える。


「まずはお前に俺の神託をつける。それでお前は帝級スキル持ちを倒せばスキルが譲渡されるようになる。ミグお前今帝級スキルはいくつだ?」


「今は5つだよ」


俺は考える。

5つか。

まあ帝級クラスがゴロゴロいるこの時代なら余裕だろう。

俺自身も昔かなり世話になったが、神託持ちの成長補正は異常だ。

俺はそんな事を考えながら言う。


「ミグお前はあと5つお前の持っていない帝級スキルを奪えばおそらく神になれる。その時いくつかの神級スキルから選べるはずだ。そこでお前は選択肢の中から黄泉の神をとれ。その先もあるがまずはそれからだ」


「うん師匠。今から楽しみだよ」


ミグは満遍の笑顔で言った。



〜〜〜


時は少し遡る。

ラグア達がちょうどシーラ達を懐柔していた頃だ。


〜新生ドーラス王国、謁見の間〜


エメラルドグリーンに装飾された煌びやかな玉座にその者は座っていた。

エルライド王国、特別王族…

ドワーフ国家、ドーラス王国、5王…

新生ドーラス王国、初代女王…

数々の肩書きを持つ彼女を人はこう呼ぶ。

深緑の女王、カティア・ドーラスと…


カティアはエルフ特有の整った顔立ちを眠そうにし、深緑に輝く髪をいじりながら言う。


「ミリア。私別にここに座ってなくてもよくない?心配しなくても誰も謁見なんかこないわ」


「しっしかしカティア様…」


ミリアと呼ばれたカティアの腹心は主の言葉に答えようとするが、最後まで言わないうちにカティアが口を挟む。


「あのねー、言っちゃ悪いけど実質ここはもう新生ドーラス王国じゃないから。事実上は統一国家イグロシアルの新生ドーラス州とでも言うのがぴったりね?それで私はその州の知事ってとこかしら?」


カティアはミリアに同意を求める様に言った。


「ですが…」


「まあ、そうゆう事だから謁見はしばらく中止ね?どうせ誰も来るわけないし、私には一応エルライド王国特別王族って言う肩書きもあるけど、それを利用しようとする連中も、私よりバカなノーマンの方が利用しやすいってわかってるみたいだしね?」


カティアはそうミリアに言い残し立ち上がろうとした時だ。

突如、謁見の間に転移の気配を感じた。

一瞬ラグアかと思ったが、ラグアは現在旧時代のアルムスに降りていて来るにはまだ早すぎる。

カティアは笑みを浮かべて転移してきた人物を出迎える。


「あら?あなたが来るなんて珍しいわね。どうゆう風の吹き回し?シュドレ」


転移してきた人物…

漆黒の勇者、シュドレ・イロードに向かってカティアは言ったのだった。



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