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第307話古き時代のアルムス15


俺は立ち上がる。

目の前に転がっているのは原型をとどめていないシルビアの死体だが、もう必要な情報はとったしいい。

ウリンから聞いたこの時代の勢力図からも、ズレはほとんどなかった。


「さて、動くか。まずはシーラか。いくぞミグ」


「うん、師匠」


俺達はシーラのところへ転移する。




転移した先は神殿…

巨大な柱が規則的に立ち並ぶ光景は神秘的な空間を思わせる。

神殿の中心部は巨大な祭壇になっており、祭壇には一際目立つ玉座がある。

その玉座に座るのは、もちろんシーラ・ベルネイア…

この神殿の主である。

シーラは薄く閉じていた瞳を開けると言う。


「誰?ああ、ミグか。後ろのはあんたの新しい…」


シーラはそこまで言いかけて目を見開く。


「すごい化け物…全く底が見えないよ………あーあ、ミグとは今まで仲良くやってたつもりだったんだけどなー?まあウチも一応下級神クラス…やるだけやってみようかな。発動、帝級スキル、水神の帝」


シーラはいきなり帝級スキル、水神の帝を発動させると攻撃を仕掛ける。


「わっ!?ちょっ!?ストップっ!?」


突然攻撃をしてきたシーラをミグは止めようとするが、間に合わない。

シーラの神の一撃がミグに迫る。


「ちっ」


俺は短く舌打ちをすると触手の一撃でシーラをぶっ飛ばす。

神格エネルギーはこめていないが、余波だけでシーラの神殿は粉々になる。


「いいねぇー、ウチの一撃を神格エネルギーすら使わないで吹き飛ばすとはね。ああ、窮地なんて何千万年ぶりだろう…?さあウチと最後の遊びをしよっか。絶望的な状況こそ楽しまないとね?」


シーラは瓦礫の中から立ち上がると獰猛な笑みを浮かべた。


「おいミグ。どうゆう状況だ?」


「うーん、わかんない。シーラちゃん気まぐれだし…」


そんな会話をしている間にもシーラの猛攻は続く。

まあ、全て俺が片手間に撃ち落としてるけど…


「未来だと味方っぽかったけど今は敵か?敵なら殺すぞ?」


「師匠ダメだって!!シーラちゃんは友達だもん!!」


「だったらお前が説得しろ。まあ、会話の席ぐらい作ってやるよ」


俺はそう言いながらシーラを触手を10本ほど伸ばし、シーラを搦めとり拘束する。

今度は適当だが、しっかり神格エネルギーはこめてある。

具体的には触手一本につき、中級神クラスの全力の神格エネルギーがこもっている。

俺にとっては雀の涙程度の量だが、下級神クラスごときには絶対に拘束は解けない。


「あーあ、ここまでかー。ミグ、あんたの勝ちだよ。さあミグっ、とどめを刺しなよ?ウチあんたの事は割と好きだったよ?」


シーラ・ベルネイアは言った。


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