第305話古き時代のアルムス13
「ラグア様の寛大な処置感謝致します」
フィリアはそう言って元の位置に退がる。
「まあいいや。とりあえず直すか…」
俺はそう言って万物の神を発動させようとするが、フィリアとセリーが止めに入る。
「ラグア様っ、お待ち下さいっ。ここは私達が…」
「この様な事でわざわざラグア様のお手をわずわせる訳にはいきません。ここは私達に…」
「あー、じゃー任せたわ」
別にどうしても俺が自分でやらなくてはならない事でもないので俺はセリー達に任せる事にする。
〜
セリーの魔導帝、そしてフィリアの百鬼夜行によりダミーエルライド王国は元通りに復元される。
ちなみにセリー達の復元方法だが、セリー達は無機物…つまり廃墟の時間を逆行させたのだ。
帝級スキルの上、時に特化していないセリー達のスキルでもこれぐらいは可能だ。
まあ、時空の神を持ってる俺もこの方法はできるが、そもそも作り直した方が早いからそんな面倒な事はしない。
だが、時空の神が時に対して万能かと言えばそうでもない。
余談だが、俺はこの前プレイルームで死んだ玩具に対してある実験を行った。
それは死体に時空の神をかけて、生き返らせるというものだ。
まあ結果は、予想はしてたが無理だった。
俺の時空の神は生体の時間を止めたり、生体の時間を緩やかにしたりはできるし、進める事もできるが、それだけでは実験用の玩具はともかく、不老持ちの王級クラスからにはなんの影響もない。
つまり、間接的に生命に干渉する事はできても直接生命に干渉する行為は時空の神では不可能という事だ。
まあ、これが時空の神自体の限界なのか、俺の神格エネルギーが不足しているのかはわからないがな…
だが1つ言えるのは、それができたらコスパと性能の問題で黄泉の神なんてスキルは完全にいらなくなるけどな…
話がそれた。
そうこうしているうちにセリー達の復元が完了する。
「ご苦労。お前らは下がって休め。それからイグロシアルに戻ったらウリンにこっちに来る様に言っておけ」
「「はっ」」
セリーとフィリアはイグロシアルに転移する。
その数分後ウリンが転移してくる。
人工スキルとはいえ、ウリンも紛れもない帝級クラス…
転移ぐらいできて当然だ。
「ラグア殿、あたしに用事?」
「ああ。ウリン、この時代の勢力図を教えろ。今から俺はミグの仲間を回収したら俺は動く。確かお前も神魔大戦の生き残りの1人だったよな?」
俺はウリンにそう言ったのだった。




