表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
356/1167

第304話古き時代のアルムス12


考えろ。

今やらねばいけない事は例え1人でも生きて帰ってラグア様か三元魔の誰かに報告する事…


シルビアは副官2人に目配せする。

それは緊急用の合図…

敗色濃厚な状況で更に戦闘、逃走…その2つともが著しく生存率が低い場合のみに出される。

そしてその合図が示すのは転移…

それもランダムに…

全員同じ位置に行けば、転移で追われる可能性が高い。

だが、シルビアと副官2人を含めた3人がランダムに転移したらどうだろう。

敵の数は2…

確実に1人は討ち漏らす。

誰か1人生き残れば報告はできる。

シルビアの決死の判断だった。


だが、シルビアの誤算は帝級クラスの認識が甘すぎた事だ。

確かに転移が発動すればこの作戦は成功しただろう。

ただし、それは発動するまでセリーもフィリアも何もせずただ見ていた場合に限る。

そして、そんな事はもちろんありえなかった。


突如シルビアは横に衝撃を受け思いきりぶっ飛ばされる。

声が出ない…

どれほどのダメージを受けたのかもわからない。

なんとか意識はある。

地面に伏したシルビアの目に入るのは変わり果てた姿の副官の1人…

こちらは既に生きてはいないだろう…

おそらくもう1人も良くて自分と同じ状況だ。


「うーん、加減が難しいなー。これ敵のリーダー以外死んじゃったかな?」


おそらく今の行為をやってのけた張本人である、フィリアと名乗った敵の最高幹部の言葉が聞こえる。


動けー、シルビアは自分の体に念じるが体はピクリとも動いてくれない。


「まあフィリアは帝級になってからは初戦闘だしな。まあ、1人残しておけば別に問題はないだろう。発動、帝級スキル、魔導帝、マジックバインド」


セリーと名乗った最高幹部の声が聞こえシルビアの意識はそこで途絶えた。




「さて、セリーこれどうする?やっぱ直した方がいいかな?」


フィリアはめちゃくちゃになっているダミーエルライド王国を見ながら言った。


「いや、直すのはラグア様に報告してからの方がいい。そうしないとお前がバカ2人を処刑した理由をラグア様に説明するのが面倒だ」


「それもそうだね。じゃあラグア様が来られるまで気長に待とうか」




俺はミグを連れてダミーエルライド王国に転移する。


ん?

場所間違えたか?

なんか廃墟になってんだけど…


転移してきた俺達を即座にセリーとフィリアが出迎え、俺の前に跪く。


とりあえず場所はあってたみたいだ。


「おい、セリー、フィリア、どっちでもいい。なんでこうなってるのか説明しろ。それと防衛に回したプロトクローン二体はどこいった?」


俺の質問にフィリアが前に出てきて跪く。


「はっ、ラグア様がイグロシアルまでご帰還なされてからしばらくして、ここは敵対勢力の襲撃を受けた様です」


敵の襲撃か。

まあ別にどうでもいい戦力しかおいてねーから別にいいけどな?


「って事はプロトクローンは防衛失敗して戦死か?」


俺は王級クローン程度では守りきれなかったのだろうと思って言った。


「いえ、プロトクローン二体は防衛任務を放棄し、ラグア様のご命令を無視して味方同士で戦闘を開始、ダミーエルライド王国を現在の状態にした時点でようやく敵対勢力との交戦を開始しました。申し訳ございません。さすがにあまりに目に余る行為だったので私が独断で処刑しました。ラグア様の命を待たずに事に及んでしまった為、ラグア様の意にそぐわなかった時はいかなる罰も覚悟しています」


フィリアの言葉に俺は固まった。


は?

プロトクローンってそこまでアホなの?

いやセシル達はまともに見えたけど…

これはちっと今後の運用を考えた方がいいか?

大事な作戦でこれをやられたらさすがにヤバイ…


「いやいい。俺はお前らを信用してそれだけの権限をに与えている。お前らがそう判断したなら俺は別にそれをとやかく言うつもりはない」


俺は跪くフィリアに言ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ