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第298話古き時代のアルムス6


「ラグア、すごいよ…。お前こそあたしの求めていたものだよ。あたしはお前になりたい」


俺とリーゼの茶番劇が終わったところでミグは言った。

俺はミグのその言葉を聞いて口角を吊り上げる。


現代のアルムスのミグとの出会い方は最悪だった。

いまでもそれは引きづり俺とミグは敵対し続けている。


ミグのその言葉にエリスを筆頭とした、狂信組の俺の配下は何か言おうとするが、俺がチラリと視線をやると押し黙る。


「なれる。つーか、俺がお前をオリジンゴッドにしてやるよ。まあそのかわりやってもらいたい事もあるがな?」


俺は言った。


「あたしは…」


ミグが俺に答えようとした時だ。


「待て…いえ、お待ち下さい。其方は妾達の事を知っておると言った。其方らと友好関係を築く前にその辺りの事を詳しく聞かせてもらえないだろうか?」


思考が復帰したミュラが俺とミグの会話に割り込んできた。

そしてミグが答えの続きを言わないって事は、俺の返答を待っているのだろう。

答えるしかないか。


「まず最初に俺は未来のアルムスから来た。俺はそこでミグもジオもお前も、そしてお前の妹にも会った事がある。まあ、敵同士だったがな?」


「妹?」


ミュラは俺の言葉に疑問符を浮かべる。

当然だ。

この時代にはまだミュンは生まれていない。


「お前の妹のミュンはまだ生まれていない。まあそこはいい。ミグ、その時代のお前は何度も俺と戦った。そしてお前はその過程でオリジンゴッドに至った。つまりお前にはオリジンゴッドになる才能がある。俺と共に来い。お前はオリジンゴッドになった後に、俺のささやかな願いを叶えるだけでいい。どうだ?」


俺はミグと敵対する過程を省いて説明した。

不戦協定を無視してミュンに奇襲をかけ、ミュンを助けにきたミュラとジオを相手に戦闘…

結果ジオを殺害…

逆上したミグが俺に奇襲…

なんて言うのはさすがにマズイのは俺だってわかる。


「うん。いいよ」


「「ミグっ!?」」


ミグの即答にジオとミュラが止めに入るが、何かを言う前に俺が言う。


「交渉成立だ。この星は俺の支配下にあるから好きにしてもらっていい。お前をオリジンゴッドにする方法はこれから説明するが、確実にアルムスの他の連中は敵に回る。敵対したくないヤツがいれば、この星に連れて来い。俺の力なら国単位でこの星に連れてくる事も可能だ」


「…そこまでしてくれるんだ。お前いいヤツだね。ううん、お前って呼ぶのはもう失礼だよ。これからよろしく師匠」


こうして、ミグと俺の交渉は終結する。

ジオとミュラはまだ俺を信用してないようだが、コイツらは別にどうにでもなる。

実力もそうだし、いままでコイツらがミグの暴走を止められた試しはないからな。

俺は思うのだった。

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