第294話古き時代のアルムス2
「すっすぐに帝級アンデットの使用許可を…いえ、ここは私が前線に…」
「いやいい。ご苦労、下がって休め」
「………はっ、申し訳ございません」
セリーは何か言いたい気な表情だったが、そのまま下がる。
〜
『ラグア様、いくらなんでもこの時代をなめすぎですよ?有象無象の量産型アンデットでミグを特定できるわけないじゃないですか』
「てめえ、わかってんならなんで言わねーんだよ?てめえの体取り戻す為にやってんだよこっちはよ?」
『万が一うまくいけばいいと思ってなんですけどね?どうなってもいい量産型アンデットなら使い潰しても問題はないでしょう』
いや、量産型アンデットは正直どうでもいいけど、なんかセリーが失敗して涙目になってたんだけど…
うん、全部クソアマのせいだ。
俺は悪くない。
『それで?次はどうしますか?主力部隊を使うか、分体を放つか、プロトクローンを使うかってところですかね?』
俺は考える。
まず主力部隊からだ。
ちなみに主力部隊は俺の配下と同盟連中を合わせた混成神級クラス…
エリス、シオン、フィローラ、バルト、カティア、シュドレなど今俺が動かせる最高戦力だ。
うん、却下。
明らかにやり過ぎだ。
それに今回はそいつらを5ヶ所に分散させる必要がある。
特別幹部から上のメンバーは、俺にとっても大切な仲間だ。
万が一があった時俺がサポートし切れない状況になるのは避けたい。
セリーを下がらせたのもその為だ。
帝級クラス相手にセリー1人では分が悪い。
かと言って5ヶ所全てに最高幹部や特別幹部、そして同盟連中を配置した場合全てをサポートし切れなくなるのは明白だ。
今はエリローズもいないし、ヤツらが苦戦する様な相手に対処できるのは俺だけだ。
もし、2ヶ所以上でそんな事態になれば完全に詰む。
次にプロトクローンだ。
セシル達に指揮をとらせて5ヶ所を確認させる。
これも却下だな。
帝級クラスが当たり前の様に、のし歩いてるこの時代に、セシル達王級プロトクローンでなんとかしようとか頭が悪すぎる…
仮に確認できたとしてもプロトクローンの被害は相当なものになるだろう。
となると…
「やはり分体しかねーか」
俺はそう呟く。
量産型アンデットと同じぐらいどうなってもいい戦力…
そしてなおかつこの時代でもそこそこの成果をあげられるだろう戦力…
俺はそう考え、不滅の帝の分裂を発動させるのだった。




