第290話次の目的へ…
『ラグア様、よかったのですか?殺さなくて…』
エリローズは俺の頭の中に直接響く声で言った。
「エリローズか。今殺すより俺の作る理想郷で絶望させる方がおもしれーって思っただけだ。気にすんな。ただの気まぐれだ」
『まあ、それも面白いかも知れませんがね。それよりラグア様。これからどうするので?あと三年もすれば私は…。邪魔者も消えた事ですし、それまでにこの宇宙消して下さいね?』
「だから自分でやれや」
『どうやって?今の私は所詮ただの残りカス…神の力を全く使えません。ラグア様の考えを読む事もできません』
「まあ任せろよ?今から時空の神を使って過去に飛ぶ。具体的には約1000万年前のアルムス…。細かい調整はお前の記憶が頼りだ。できるな?」
『神級スキルの起動自体はラグア様がやってくれるのであればそれぐらいはなんとか…ですが、そんな時代に行って何を?』
俺はニヤリと笑いながら言う。
「奪うんだよ。全盛期のお前の体を。時は最初の神魔大戦直前だ」
『ラグア様…。お言葉ですが全盛期の私ははっきり言って今とは比べものになりません。今のラグア様でも確実に勝てるとは言えません。それにその時代には、全盛期のクソガキもいます。そもそも仮に全盛期の私を倒す事ができたとして、それはラグア様の神格エネルギーが増えるだけでは?』
俺はエリローズの言葉に笑いながら答える。
「くくくっ、その時代にはもちろんいるだろ?ミグ・ヒピーも」
『…なるほど転生の概念ですか…ですがその時代のミグはまだ概念を…』
「なら作ればいい。全盛期のジジイをぶち殺した神格エネルギーで。もしくは初代ラグアと創造神を何体かをぶち殺した神格エネルギーをミグに注いで」
俺は邪悪な笑みを浮かべながら言った。
『………ふふふっ、私はたぶんラグア様のこうゆうとこが好きで今までいっしょにいたのでしょうね?』
「続きは向こうについてからだ。発動、神級スキル、時空の神。いくぞ。化石共に俺と言う存在を教えてやる」
俺は時空の神を発動させ、現代のアルムスをあとにするのだった。
〜〜〜
〜ラグアが過去に転移してから数時間後〜
「ミグっ!?ミグ…うぅぅぅぅぅ…」
ミグの変わり果てた…
具体的には黄泉の神だけを発動し続ける抜け殻に寄り添い泣くミュラの姿があった。
その時だ。
今まで抜け殼だったはずのミグの目がパチリと開かれる。
「ちっ、俺に支配権が移ったって事は無限のヤツ負けやがったな…」
ミグは普段とは全く違う口調で言ったのだった。




