第284話ラグアVS最高神
俺も変わったな…
俺は心の中でそんな事を思う。
昔は誰かの為に殺しをするなど考えた事もなかった。
もちろん今でも殺しは大好きだし、自分の為にやる事もしょっちゅう…とゆーかほとんどそうなんだが…
ん?やっぱあんま変わってねーか?
俺はそんな事を思いながら目の前のジジイを見据える。
「バカなっ!?こんな事があるはずは…」
最高神はそう言いながら白い霧を出す。
前は神格エネルギーの差でイグロシアルまでぶっ飛ばされたが、今回はそうはいかない。
「二度も同じ手を食らうかよっ!!」
俺は神格エネルギーを体に纏いながら白い霧を迎え撃つ。
白い霧は文字通り霧散する。
「ぐっ、アンチステータスゾーンっ!!」
エリローズと融合した俺の力が急速に抜けていく。
バカかこいつ?
それも前にやっただろ?
俺は思った。
だがアンチステータスゾーンを発動した最高神はそのままミグに向かう。
「え?あたし?裏切りとかいい度胸だねー?」
ミグは最高神の初撃をかわす。
そのまま最高神の腹に蹴りを見舞うが、体格差の為か軽すぎてダメージはない。
「大人しく儂に食われろぉぉぉ!!それしかこの宇宙を守る道はない!!」
なるほど俺がエリローズと融合した様にジジイはミグを取り込んで神格エネルギーをあげるつもりなのか。
アンチステータスゾーンの中では、ミグの黄泉の神も発動しないし勝てるって算段か。
ちっとマズイか?
俺は最高神に攻撃を仕掛けるべく動き出す。
「宇宙なんかどーでもいい。あたしはあたしとあたしの仲間の為に戦うだけだよ?」
言いながらミグは指先を噛みちぎりジジイの顔面に浴びせる。
毒霧ってやつか。
「ぐっ、見えん」
「お前さ?センスないよ。ステータスがなくなったのはちょっとびっくりしたけど、途端に目に頼りすぎだよ。感覚でわかるじゃん?音、風の匂い、ステータスなんかなくたって…なんでわかんないかな?」
ミグはそう言いながらジジイの首筋に噛みつく。
人間は顎の力だけは例え子供の力と言えどもバカにできるものではない。
例え子供…
体格的な力の差の話だが、そんな力で首筋…
それも頸動脈を噛みちぎればどうなるか…
「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」
最高神の首からは噴水の様に血が上がる。
「かっ解…」
「やらせねーよ!!」
俺はジジイの顎を思い切り蹴飛ばす。
ジジイはそのまま舌を噛んで解除に失敗する。
後に残ったのは血を流して朦朧としているジジイと向かい合う俺達だけだった。




