表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
329/1167

第281話白と青11


俺の頭に響く声…

それが誰なのかは考えるまでもない。


『エリローズ、森羅万象の中でも神通使えるのかよ。てかもう終わりだ。俺は封印されてお前とウルドナートは玉砕…。かと言って逃げるのも不可能だ。ならせめてジジイだけでも道連れにしてやる。てめえも覚悟決めろや?』


俺は同じく神通を使って言った。

今のところジジイに動きはないが、こちらが逃げるそぶりを見せれば即座に俺を封印しようと動くだろう。


『ふふふっ、なめないで下さい。これでもラグア様より遥かに長く神をやってるんですよ?なんなら解除しようと思えばいつでもできますよ?………ラグア様。私に考えがあります。………10秒…いえ、5秒でいいので、ラグア様の神格エネルギーを温存したまま時間を稼いで下さい』


『は?お前何する気だよ?』


『………詳しくは言えませんが……お願いします』


エリローズは消え入りそうな声で言った。


ちっ

俺は短く舌打ちをしてから言う。


『…5秒だな?何やるか知らねえが、それ以上は持たねえぞ?』


俺は森羅万象ではなく、亜空間とアルムスを繋げる。

これぐらいなら今の神格エネルギーでもできる。

呼び出す亜空間は、先程俺が神格エネルギーを込めた亜空間ではない。


もっと前…

それはリーゼを生み出した後に生まれたクローン…

それはある意味リーゼ以上の成功作でもあり、セシル達以下の失敗作でもある。

今までそいつは俺の神格エネルギーで無理矢理押さえ込んでいた。

ウリンがそいつを作った時に、俺とエリローズが立ち合って無理矢理、亜空間に閉じ込めていなければ今頃イグロシアルは消えていただろう。


亜空間の扉が開かれ、そこから無表情な中性的な幼子が現れる。

真っ白な髪…

そしてリーゼの赤と青のオッドアイのとは違い、その瞳は真っ赤に染まっていた。


言うなれば俺やエリローズを小さくした様な存在…

だがその瞳に俺の様な殺意もなければエリローズの様な凶悪性も存在しない。

そこにあるのは完全なる無感情…


「!?っ、ゴッドバーストっ!!」


ミグは目の前の幼子に脅威を感じてゴッドバーストを打ち込む。


だが…


幼子は全くの無傷である。


「フメツ…フメツ…ショーメツ…」


幼子は呟いた。


「なにコイツ…死なない…」


ミグはあっけにとられている。


よし、このまま5秒気づくなっ

俺は心の中で思う。


エリローズと俺のクローンにウルドナートが最高神としての能力で神として作り出した存在…

当初は簡単に神級…

それもオリジンゴッドを作り出せたと思っていた。

だがコイツはセシル達とは違う意味で最悪の失敗作である。

それは…


「ショーメツ…ショーメツ…」


幼子はいきなり消滅の概念を発動させる。


まずこれはオリジンゴッドではない。

神格エネルギーはせいぜい上級神クラス…

そんな存在に概念や神級スキルを持たせようとすればどうなるか…

結果はこれだ。


幼子を中心にアルムスが崩壊をはじめる。

オリジンゴッドである俺達3人は無事だが、このままいけば遠くないうちに宇宙を消滅させるだろう。


コイツは全くと言っていいほど制御がきかない。

というか無理矢理持たせた概念や神級スキルに精神が引っ張られてしまった。


そんな制御不能な破壊兵器を…言うなれば粗大ゴミを俺は解き放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ