第279話白と青9
危ねー。
マジでギリギリだったわ…
俺は自分の概念である不滅が、はじめて発動したのを確認しながら思った。
「ゴッドバーストの直前にお前の力が急激に落ちた。なるほど、それがお前の概念って訳か。お仲間の2人もいなくなっちゃったみたいだし、残念だけど奇襲は失敗かな?」
ミグはたいして残念そうでもなく言った。
ゴッドバーストの直前、俺は自らの神格エネルギーの大半を創造した亜空間に逃がした。
そうしなければゴッドバーストの直撃を受けて俺はかなりの神格エネルギーを失っていた。
ちなみに先に森羅万象を使ったのは、この状態じゃまともに使えないからだ。
エリローズがかつてオリジンゴッドにも関わらず力の大半を失った様に、今の俺の神格エネルギーはよくて中級神止まり…
まあ、こんな状態では森羅万象を、オリジンゴッド2人を相手にかけるなど絶対に無理だ。
もっとも万全の状態でも、アイツらが拒否すればそれで終わりだったが…
エリローズやウルドナートはオリジンゴッドとして俺と同格…
本気で拒否されたらマジでどうしようもなかった。
まあ、結果はとりあえず成功と言えるだろう。
おかげで今の俺の神格エネルギーは、概念不滅が発動する最低限…
つまりは下級神クラスまで落ちているが、逆にこの状態なら神格エネルギーがこれより削られる事はない。
ちなみにこの状態だと森羅万象はまともに機能しない。
解除ぐらいは使えるが出したら最後、神格ビックバンを吸収して神格エネルギーを戻さない限り、再使用は不可能なのでそもそも使う選択肢はない。
「単身で俺の本拠地に乗り込んでくるとはいい度胸じゃねーか?死ね」
俺は不滅の帝の無限分裂を発動させ、それぞれに再び超新星爆発を撃たせる。
目的はミグ本体じゃない。
ミグの仲間を皆殺しにして、黄泉の神に使うアイツの王級スキルを枯渇させる事だ。
「発動、神級スキル、神眼の神」
その言葉と共に再び俺の超新星爆発は搔き消える。
「さっきと同じだけど、分体じゃわからなかったみたいだから説明してあげる。あたしの神眼の神は目で見た神格エネルギーを持たない存在を全て掌握する。神の千里眼と連動させればどうなるかは………同じオリジンゴッドのお前ならわかるよね?」
つまり分体じゃ時間稼ぎにもならねーって事か…
「さあラグア。戦いを楽しもうよ?新しい世界の幕開けまであたしが遊んであげるよ」
ミグは言ったのだった。




