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第268話ラグアとリーゼ


「だっ…だからっパパの為にやった…んだよ」


「百歩譲って俺の為にやったとして、俺がいない間に決行した理由は?」


「そっ…それは…パパは絶対…止めるし」


「だろーな。アルムスに放ってた代わりの効く連中とお前は違う。てかそろそろやめるか。喋りずれーだろ?」


俺は意識的に出していたオリジンゴッドの殺気を引っ込める。


「これでまともに喋れるだろ?てかこれやって、曲がりなりにも受け答えできたヤツはお前がはじめてだぞ?」


「だって怒っててもパパはパパだもん」


リーゼは答えになってない答えを返す。


「つーか、俺は今忙しいんだよ。考える事が山積みだからな?」


龍王星攻略の失敗…

ミグ・ヒピーの妨害…

そして正体不明の敵対者の出現…

さすがにこれだけ予定外が重なれば、計画を大幅に見直す必要がある。


「もしかしてエリス達しくじったの?被害状況は?」


「あ?なんでわかるんだよ?」


「だってパパ今すごく機嫌悪いし、いくらなんでもリーゼの迎えに龍王星に使わなかった最高幹部と帝級勢力を全部回すなんて明らかに過剰戦力だし、それはパパが早急に一旦態勢を立て直そうとしているって事。つまりそうしなければいけない何かが起きたって事。エリス達がしくじったと考えるのが自然でしょ?」


コイツ…

俺はニヤリと笑う。

自分の娘という事は抜きにしてもコイツはかなり頭が回るようだ。


「あたりだ。だが被害はねえよ。ミグ・ヒピーの妨害、そしてそれを超える新たな敵対者の出現。だが、ぶつかる前にエリスの判断で撤退した」


「へえ、さすがエリスだね。いやパパの右腕って言うべきかな?」


「まあ本人は納得してねーみたいだがな?まあその話はいい。リーゼ、お前に聞く。俺が次に打つべき手はなんだ?」


「え?それをリーゼに聞くの?決まってるじゃん。パパの計画の邪魔になるものは皆殺しだよ。今までもそしてこれからも」


リーゼは何を当たり前の事をと言うような雰囲気で言った。


「たしかにその通りだ。だがジジイとの戦いが控えている俺達は、現在軽率に動くわけにはいかない。ならどうする?」


「いぶり出す。使い捨てにしてもいい戦力で。具体的にはありったけのプロトクローンを使って。そして全ての敵対勢力が防衛の為に散ったところをパパの本隊で叩き潰す」


「完璧だ。さすがは俺の娘という事にしておこう。だが、補足するなら一度イグロシアルに森羅万象を使って俺達もアルムスに降りる。予定は少し早まったが大まかな敵対勢力を排除ししだい次の計画に動く。さすがに次の計画に入ればジジイも俺を無視できなくなる。すぐにプロトセリー達とウリンを呼べ。プロトセリー達には名を与えて次の作戦の指揮をとらせる」


こうしてラグアは自分の思い描く、大規模な計画の準備をはじめるのだった。


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