表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/1167

第26話対峙


目の前に広がるのは、満々たる将兵。

あれ?このくだり前にもやったような気がするが、細かい事は気にしない。

だが前と違うのは、俺の後ろにも軍勢が控えていると言う事。

今、俺とエリスは自軍の先頭にいる。

いやー進軍に三カ月って長くね?

まあ、俺達が、ミールの村から来た時の事を考えれば全然速いが。

だらだらしてる間に俺1歳になっちゃったし。

と言うか今の俺はヤバイ。

もう三カ月も人を殺していないのだ。

ダレクスは兵の士気に関わるからと言う理由で、この三カ月間生贄を差し出さなかった。

俺は怒りのあまり、ダレクスをその場で八つ裂きにしようとしたが、エリスに止められた。

ここでダレクスを殺してしまえば、エルライド王国を滅ぼすか、どこか誰にも見つからないところに逃げるしかなくなる。

前者は目をつけられるからやりたくないし、後者はそもそもそんな生活を送りたくはない。


ダレクスは思う。

進軍を理由にラグアに対する生贄をストップさせたのは作戦だった。

例え三カ月でも生贄をストップさせれば、それだけ財政は回復し、アリエルを王に据える時間の余裕もできる。

だが危なかった。

エリスが止めなけれれば、自分はもうこの世にいなかっただろう。

かつて対峙した時の殺気とは比較にならない、殺気のみで人を殺せそうな程の死の香り、それがまざまざと伝わってきた。


あとでエリスに呼ばれ、少し話したが、


「私が止められるのは、これが最初で最期。次は止められないし、とばっちりで殺されても敵わないから止めるつもりもない。自分やラグア様の精神を犠牲にしてまで守る価値はお前にはない。」


見た目は人間だが、この女も魔王の配下、ダレクスは思った。

ダレクスは自分が利用しようとしたのは爆弾どころか、この世界を滅ぼしかねない、生物災害の塊だと言う事にいまさらながら気づいた。

だがもう、あとには引けない。

このまま、自分が国を動かす人間になるか、あの魔王に破滅させられるが二者択一だ。

ダレクスは覚悟を決める。


お互いの指揮官が戦い前の口上を言い合う。

長い。早く終わらせろ。

殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい

気が狂いそうだ。


そうこうしているうちに、ようやく開戦の合図。

味方の指揮官は、戦術等の指示をしているが、知るか。

俺は無視して敵陣に突っ込む。


解き放たれた獣ならぬ、解き放たれた殺人鬼は誰にも止められない。

次回から戦闘回です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ