表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
304/1167

第257話アルムスクローンパニック10


リリスはリーゼの言葉を聞いて考える。

降伏か死…

まさにその通りだ。

戦えば確実に玉砕…

正直、元々いた三人でさえ勝てるかと言えばたぶん負ける。

自分の能力は王級クラス相手に3対1で無双できるような万能な能力ではない。

まあ、逃げに徹すればなんとかなるだろうが、それも今となっては無理だ。

新たに降りてきたセリーという幹部からは逃げられるビジョンが浮かばない。

それほどの実力差を感じる。


リリスの答えはもう決まっていた。


「降伏…します…」


「ふふっ、素直な人は嫌いじゃないよ」


リーゼは笑顔で言った。



〜ダミーエルライド城、玉座の間〜


いままで空席だったその玉座に座るのは、まだあどけなさが目立つ幼女…

リーゼ・エルライドだ。

そんなリーゼの横に控えるのは魔王ラグア・エルライドの最高幹部にして四天王の一人であるセリー…

そしてその前に跪くのは4人…

プロトセリーをはじめとするクローン達と、つい10分程前にリーゼに降伏した魔王リリス・ヘヴンだ。


「パパからの連絡はまだないし、とりあえずリリスはリーゼの預かりって事で」


「はっ、リーゼ様。これからよろしくお願いします」


「うん」


リーゼとリリスはそんなやりとりをする。

状況的に仕方なくだが、歪ながらもそこには一応主従関係が成立していた。


リーゼは言う。


「さてセリー。話は変わるけどアルムスに小国はある?」


「はいリーゼ様、一応ラグア様が侵略価値がないと後回しにしてきた国々はほとんどまだ健在ですが…」


セリーはその先の言葉を飲み込む。

その様なゴミを何に…とはさすがに言えない。

少なくとも自分より遥かに上位に位置するリーゼに対しては…


「ならすぐにそこに行こうか?プロトセリー達は引き続きパパの命令を進めて?リリスは一応リーゼの預かりだから連れて行くよ。わかってると思うけどリリスの城に残ってるリリスの部下にはパパの命令があるまで何かしたらダメだよ?」


「「はっ」」


リーゼはそうプロトセリー達に指示を出し終えたところでセリーは転移を発動させる。



〜〜〜


リーゼ達は転移した。


トルワ公国…

元々ルシエル聖国の事実上の属国とされていた国…

だが、本国はラグアにより消失…

それにより意図せずに属国から解放される事になった。

そこは1つの国の首都と言うには、あまりにも粗末だった。

まあ、これが1つの街としてならそれなりの規模なのだが…

トルワ公国の首都の中央には、一般の街の領主の館よりいくらか立派な城と表現できるか微妙なラインの建物が1つ。

もちろん周りにある建物のレベルも、ラグアが今まで侵略してきた国々の首都と比べてもかなり劣る。

これではラグアに侵略価値がないと、後回しにされたのも頷ける。


そんな国にリーゼ、セリー、リリスの三人は降りたったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ