第25話テンプレからのカツアゲからの店が潰れました。
リアルで友人と夕飯食べてきて今帰りました。
ダレクスとの夕食会の翌日、俺とエリスは、モレストの町の酒場にいた。
この世界には未成年の飲酒をとやかく言う法律はない。
もっとも俺は前世の年齢は39歳だが、この世界では1歳にもなってないし、そもそも見た目は15歳の少年だ。
昨日の話で、実際に戦争を仕掛けるのは1カ月後で、領民から徴兵するらしい。
俺はめんどくさいから、自分達だけでデルド侯爵も、ファルムスとか言う王子も、敵軍も、それを目撃した住民も皆殺しにしてくると言ったが、それでは体裁が悪すぎる上、後々支配しても反乱が起こると言う理由から、あくまでダレクス自身が軍を率いての、政戦と言う建前がなければ、ただの大量殺人らしい。
俺としては大量殺人でも全然いいのだが、頼むからやめてくれ!とダレクスに土下座されたので仕方無く聞いている。
今の時間は昼過ぎで、酒を飲むには早く、この店の客もまばらだ。
なんで昼間からこんなところにいるかと言うと、俺は午前中はいつも通り、人間と言う名のオモチャで遊んでいた。
だが、しばらく遊んでたら泡を吹いて動かなくなってしまった。
ショック死だ。
と言うわけで、暇を持て余した俺達は、昼間から飲んだくれているのだ。
そんな風にしていると向こうから、ガラの悪い男達がやってきた。
「おい坊ちゃん?それとも嬢ちゃんか?どっちでもいいがいい女連れてるじゃねーか?女置いてママのところに帰んな?」
コイツら殺す。
俺は目の前の3人組を肉片に変えようとした時エリスは言った。
「ラグア様、戦闘の許可を下さい。殺します。」
エリスは何より、ラグアをバカにされる事が許せない。
それさえなければ、エリスも十分常識人と言えるのだが本人は気づかない。
だがエリスが熱くなったおかげで、少し頭が冷えた。
ここで暴れたら、夢のスローライフが送れなくなってしまう。
正確には、ラグアが送っているのは、スローライフでもなんでもないがそんな事はどうでもいい。
俺は考えた結果、隠密スキルを解除した。
それだけで、濃厚な殺気が店の中に充満し、目の前の3人組は全員腰を抜かした。
俺に直接喧嘩売ったヤツなど、小便を漏らしている。
「今すぐ有り金全部置いて消えろ。そうすれば命だけは助けてやる。」
3人組は財布を足元に置くと、腰が抜けて立てないので床を這いながら逃げていった。
うん。平和的解決な上、儲かった。
素晴らしい。
全く平和的ではないが、ラグアにそんな常識はわからない。
酒場はさっきの一件で、他の客は逃げ出してしまい、マスターも店の隅で震えている。
店には俺とエリスの声だけが響く、それから一月、俺はいつ行っても勝手に貸し切り状態になる、この店が好きでしばらく通ったが、徴兵が終わりダレクスの準備が整う頃には、潰れてしまった。
いい店だったのに残念だ。
〜
一カ月後
俺は徴兵で集まった3万の軍勢とともに、デルド侯爵領に向かって進軍している。
これから巻き起こす惨劇の幕開けに胸を踊らしながら。




