第251話アルムスクローンパニック4
「ご苦労。次の作戦に移れ。成功した暁にはお前らにも相応のポストとちゃんとした名を与えよう」
「はっ、必ずやラグア様の期待に応えて見せます」
〜
さて、俺は報告に来たプロトセリーを見送った玉座の間で考える。
ジジイは探してはいるがまだ見つからない。
これはおそらくジジイが、正面突破の勝機は薄いと判断して時間稼ぎと奇襲に動いているからだろう。
それにしてもミグまで復活しているとは…
うん。
アイツの性格を考えるとどう考えても邪魔だ。
まあミグごとき今の俺なら1人で余裕だが、そこをジジイに奇襲されれば全てが終わる。
今回の戦いはいつの間にか俺達三人とジジイのゲリラ戦と化している。
「クソ、めんどくせー」
俺は呟いた。
プロトセリー達が陽動になってくれればと言う淡い期待も最初はあったが、さすがに餌の質が悪すぎる。
これではジジイどころかミグ達も動かないだろう。
これはプロトセリー達のあいさつの成功、失敗に関わらず終わり次第、本命の計画を進める必要がありそうだ。
できればジジイを倒してからゆっくりやりたかったがそうも言ってられないようだ。
さすがに今回の計画はジジイの立場的に必ず邪魔しに来るはずだ。
まずはその為の準備をするか。
「エリスっ、フィリアっ」
「「はっ」」
俺の前にエリスとフィリアが跪く。
「次の計画の準備をはじめる。それには新たな拠点がいる。龍王星を落とせ。戦力が足りない様なら九天…いや、オリジンゴット以外の神級を全て投入しても構わん。ソドムの生死は問わない。龍王星から叩き出せ」
「「はっ」」
エリスとフィリアが部屋から出て行く。
テオレームの星を襲えば最悪エリローズに計画が露呈する恐れがある。
ダミーイグロシアルを作っても同じだ。
そんな何に使うか用途不明な物を作れば、確実に怪しまれる。
とゆうかそんな物を作れば、これからイグロシアルに森羅万象をかけると言っているようなものだし、アルムス側の陣営にいらない警戒心を生むことなる。
それではせっかく陽動として動いてくれている、プロトセリー達のあいさつに意味がなくなる。
逆に死王星を襲えばミグ達が動き出すのは確実で勝てはするだろうが、賭けの要素が少しばかり上がる。
総合的に見て龍王星が一番リスクが少ないはずだ。
不滅の箱舟計画…
俺はエリローズに悟られない様に注意しながらジジイとの戦いの最終局面の準備をはじめるのであった。




