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第24話殺人鬼のスローライフ


「ギィヤァァァァァーっうう…もっもう殺して下さい…お願いします…」


ここはモレストの町、領主の館の地下室。

今日の分の生贄の、奴隷の女の悲鳴がこだまする。

さて、この屋敷にきて約一カ月、俺がこの世界に生まれてから約八カ月。

みての通り、毎日俺はオモチャを与えられ、夢のスローライフを満喫中。

勝手に出てくる美味しい飯とベッド、何より毎日1人用意される新しいオモチャ、もうここに永住しようかな?

この暮らし最高すぎる。


正確には、虐殺とスローライフはもっともかけ離れたものであるが、ラグアは気づかない。


俺は更に、王級スキル土精王で作り出した針を目の前のオモチャの爪の間に差し込む。


「ぐぅあああああああ」


再び悲鳴が地下室をこだまする。


「ラグア様。御夕食の用意ができたそうなので、呼びに参りました。」


エリスが呼びにきた。

あっもう飯かあ。

ここにいると時間が経つのが早いな、俺は残った針を全部目の前の女の爪の間に差し込む。余りの痛みに女は失神する。

続きは飯食ってからにしよう。

俺はエリスの後をついていく。

ちなみにこの屋敷の食事は、伯爵やエリスが作っているわけではない。

俺が町を襲った翌日、伯爵の家族や侍女や下男を呼び戻した。

伯爵は英雄となり、俺は隠密のおかげか、食客として受け入れられた。

もっともこの部屋の惨状を見られたらヤバイので、この部屋には、エリス以外は近づけないようにしている。

まあ、これもエリスの進言を聞いただけだが、どうやら俺の常識は世間からだいぶズレているらしい。

エリスは、俺の欠落してる部分を補ってくれる可愛い部下だ。

大事にしないと。

それにしても、アメーバになってから性欲は皆無になった変わりに、殺人欲求はますばかりだ。

だとしても、もうエリスに手を出そうとは思わない。

この忠実な部下は今では俺にとっても、いなくてはならない存在だ。

それを一時の快楽に任せて殺すなどさすがの俺でもしない。

広間につくとダレクスが待っていた。


「おおっラグア様、エリス様、お待ちしてましたぞ。

さあ、席について夕食にしましょう。」


ダレクスは最近では、俺やエリスの事を名前で呼ぶ。俺も最近では伯爵の敬称を取っ払い、ダレクスと呼び捨てにしている。

ちなみにこの一カ月、約30人も殺したのにレベルは1つも上がっていない。

魔王になると上がりにくくなるのだろうか?


ダレクスは生贄に差し出した奴隷達が、1人も帰ってこない事に思うところはあるが、そんな恐ろしい事をラグアに聞く度胸は無い。

それはそうと、今日の夕食はただの夕食会ではない。

ラグアに初仕事を依頼しなくてはならないのだ。

隣の領地を納める貴族、デルド侯爵に内戦をしかけて潰してほしい事。

デルド侯爵は第2王子ファルムス派の筆頭で内戦になれば、本来ならこちらも甚大な被害を受けるだろうし、そもそも兵力の規模が、先日の戦いがなくこちらが万全の状態であっても3倍は違う。

今まで冷戦状態だったが、こちらから仕掛けて勝てる相手ではない。

ラグアさえいなければ…


この日の話は、スムーズに進みラグアは2つ返事で了承した。

ラグアのその内心には、ダレクスとの契約に対する義理など存在しない。

ただ久しぶりの大量虐殺に心躍らせて引き受けた。

それだけの事だった。



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