表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
282/1167

閑話深緑の女王カティア・ドーラス

今回はカティアの閑話です。


時は第二次神魔大戦まで遡る。



〜〜〜


最高神が放った白い霧が晴れる。

そしてそこにいたはずのキチガイ二人は消えた。

ラグアが負けた。

それは別にいい。

あのキチガイ達は、力以外の尊敬できる要素が全くない。

歴史の授業でしか知らないが、絶対王政とはあんな感じなのだろう。

いや、歴史の方がまだマシだ。

少なくとも歴史の王は歩く核爆弾でも、サイコパスでもないのだから…

まあ、そんな存在がいなくなり、本来なら喜ぶべきなのだろう。

自分がキチガイ側の陣営じゃなければ…

カティアは思った。


状況は最悪だ。

周りは敵ばかり…

そしてセルナース様を別とした、こちらの味方はシュドレとシュドレについてる神1人…

テオレーム?

味方な訳がない。

このまま自分は最高神に、あのキチガイ達の残党として粛正されるのだろう。

転生してからの第2の人生…

思えばラグアに出会うまでが一番楽しかったな…

カティアがそんな事を考えながら人生を諦めかけた時だ。


「さて、儂も神界で来たるべき戦いに備えるとしよう」


その言葉を最後に最高神は消える。


え?

見逃された?

え?え?え?

カティアは状況が読み込めなくて完全に固まっていた。

気づいた時にはその場に残っていたのは、カティアとセルナースだけだった。


カティアはどうやら自分の思考が固まっている間に、他の敵陣営や、シュドレもいなくなったらしい事を、ぼんやりながら理解した。


「セルナース様、これから私はどうしたら…」


そんなカティアの問いにセルナースは笑顔で答える。


「あら?カティアさんはあの化け物達から解放されてもう自由なのよ?あえて言うなら何をしてもいいわ」


自由…

そうか自分は自由なんだ。

ああ、なんて素晴らしい響きなんだろう。

だったら何をしよう。

アルムスを旅していろんなところに行くのもいいかも知れない。

あ、だけどその前に…


「セルナース様は…その…」


セルナースはカティアの言葉が終わらないうちに言う。


「もちろんついていきたいわ。カティアさんが嫌なら別だけど?」


セルナースは少し心配そうな目でカティアを見る。


「そんな事ある訳ないですっ。これからもよろしくお願いしますっ!!」


こうして、カティアとセルナースは旅立った。

だが、彼女らは旅をしていくうちに出会う事になる。

第二次神魔大戦の余波で難民になってしまったエルライド王国、リース森林国、ドワーフ国家、ドーラス王国出身で大戦時それぞれの国にいなかった人々に…

カティアはそれらを快く受け入れた。

ドワーフ国家、ドーラス王国5王の1人でエルライド王国特別王族と言うとんでもない肩書きを持ちながら、ラグアと違い、力で支配しようとしないカティアには自然と人が集まった。


まあ、カティアが国を起こしたのは、アルムスに娯楽を作る為でもあるのだが…

後に新生ドーラス王国、深緑の女王、カティア・ドーラスと呼ばれるのは、この数年後の話である。


次回はシュドレの閑話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ