第239話白の再臨
ついに、ついに戻ってきた。
俺達は今宇宙空間にいる。
眼前に広がるのは巨大な惑星と赤、青、緑に輝く3つの衛星…
全てが眼前に広がるのが、アルムスだと言う事を証明していた。
「それでラグア様?まずはどうしますか?クソガキを探し出して始末します?」
エリローズは言った。
「いや、せっかくわざわざ狙ってアルムスの中じゃなく近くの宇宙空間に出たんだ。まずは森羅万象を解除してイグロシアルを出す。それが終わったらカティア達を回収する。死んではいねえとは思うが、さすがに三十年以上経ってる。まずはそっちを優先する」
「そうですか。でしたら私もテオレームを探しに…」
エリローズがアルムスに向かおうとするのを、俺は止める。
「待てやっ。お前とウルドナート、そして俺は単独での行動はダメだ」
「大丈夫ですよ。ラグア様も強くなりましたし、私が少しぐらい離れても…」
エリローズが言い終わらないうちに俺は言う。
「ダメに決まってんだろ?確かに総力は俺達の方が上だが、個体としてはジジイに勝てるヤツがいない。この意味がわかるか?」
「つまりラグア様は各個撃破を恐れてると?とゆうか私の心配をしてくれるなんて嬉しいですね」
「おい、ふざけてる場合じゃねーぞ?」
「問題ありませんよ。万が一私が死んだとしてもラグア様とウルドナートだけでも苦戦はしますが、なんとか勝てるはずですよ?」
「お前の神格エネルギーを吸収してパワーアップしたジジイに俺とウルドナートが勝てると?」
「あっ…そういえばそうですね…」
「話は終わりだ。カティア達の回収メンバーは俺達が全員で回収に行くか、俺の配下の中から厳選する。俺の配下を出す場合は、不足の事態にはいつでも動ける様に俺達は待機だ」
俺は無理矢理、話を終わらせて森羅万象を解除する。
アルムスの近くの宇宙空間に突如惑星、イグロシアルが現れる。
俺はそのままエルライド城の玉座に転移する。
「エリスっ!!」
「はっ、ラグア様ここにっ!!」
直前まで誰もいなかった俺の前にはエリスが跪く。
「同盟国、属国の代表者、それから同盟を結んでる九天や食客、そして特別幹部から上の俺の配下を全員集めろ」
「はっ」
エリスは跪いた状態のまま消える。
今回はアルムスのある宇宙に行く事は、今集めたメンバーには説明済みだ。
イグロシアルにきたばかりの頃の、地獄の3日間はもう体験したくはない。
まあ、今回は惑星ごと森羅万象をかけたから、ほとんどの連中は気づく事はないがな…
こうしてラグア・エルライド…
またの名を白い滅亡…
再びアルムスに再臨した、史上最悪の魔王は動き出す。
ここからいくつか、主人公ラグアがいない間のアルムスの閑話を、はさもうと思います。
ご了承ください。




