第234話神界3
俺は考える。
エリローズがこう出るのは、ウルドナートが提案してきた時点で半分予想の範疇だった。
消滅の神とは言え、エリローズはアルムスのある宇宙の神…
あのジジイの宇宙と運命を共にするのがアイツの目的…
ただ運命を共にする中に俺も入っているのが問題だが…
それにアルムスはいずれ俺のものになる。
必ず俺とエリローズはぶつかる。
まあ、決着はアイツが俺の不滅の概念を超えるか俺がアイツの力を超えるかだが、俺はアイツの本気は領域展開だけではないと思っている。
じゃなければいくらあのジジイを倒す為とは言え、いつまでも余裕ぶっこいて俺にくっついている訳がない。
話が逸れた。
つまり別次元の宇宙の味方はアイツにとってもいずれ戦う対象ではないのだろう。
だが、俺は違う。
俺は俺の作る俺の為の世界に邪魔になる存在は、排除しなければならない。
まあ、実際にウルドナートが邪魔になるかどうかは、ジジイを倒した後にエリローズと俺のどっちにウルドナートがつくかだが…
まあ、あの現状ジジイをぶち殺すのは最優先事項だ。
俺は言う。
「バカが勝手に先走ったが、俺はそこのバカと違ってそこまで短絡的じゃねえ。だがお前は、交渉する価値はあると思っている」
俺は用意された席についた。
「まあ、ラグア様がそうゆうならとりあえずお話しましょう」
エリローズも席につく。
「まあいい。とりあえず自己紹介だ。俺はラグア・エルライド。そしてこっちのバカはエリローズだ。で?お前はジジイを殺す為に協力しようと言った。アルムスがある宇宙の最高神…つまりあのクソジジイをぶっ殺す事に関しては俺も大賛成だ」
俺は言った。
「それなら…」
ウルドナートが口を挟もうとするが、俺はそれを遮って言う。
「だが、俺が欲しいのはあのクソジジイを超える力だ。今の俺達ではあのクソジジイの概念を打ち破れない。お前を殺して神格エネルギーをいただくのが一番手っ取り早い。お前の言う協力は俺にそれ以上のメリットを提示できるのか?」
ウルドナートは思う。
ふつうノーリスクでオリジンゴッドの協力が取り付けられれば二つ返事で了承してもおかしくはない。
生まれながらの絶対者であるオリジンゴッドはその性質上、能力で大抵の事をどうにかできてしまう為、思考能力が弱いのが特徴だがコイツは違うようだ。
ウルドナートはラグアの警戒度を引き上げる。
実際にはラグアは生まれながらの神ではないが、それはウルドナートにはわからない事だ。
こうして、ラグア達とウルドナートの神々の交渉ははじまるのだった。