第233話神界2
白い城に入ってから、なんの障害もないまま俺達はイグロシアルがある宇宙の最高神前にたどり着く。
「ラグア様。力はせいぜい私と同等しか感じませんが、油断はできません。1人で迎え討つなど余程の自信がなくてはできません」
エリローズは言った。
それに関しては俺も同意見だ。
その時だ。
「よくここまで来たね。ボクはウルドナート。この宇宙の主だ。久しぶりの…いや、はじめての客人だ。歓迎しようじゃないか」
最高神…ウルドナートは言った。
その瞬間ウルドナートの雰囲気が変わる。
いや、よくここまで来たねってなんの障害もなかったんだけど…
俺は突っ込みを堪える。
今はシリアスなのだ。
俺にもそれぐらいの空気は読める。
「発動、概念、十二星座」
来る。
俺とエリローズはいつでも迎撃できる態勢をとる。
だが…
〜〜〜
いや、状況が理解できない。
俺の目の前にあるのは、圧倒的な力と殺気をみなぎらせたウルドナートでもなければ、俺達をぐるりと囲う神級クラスの満々たる将兵でもない。
豪華なテーブルに豪華な料理…
そして俺達に用意された豪華な椅子に、俺達の後ろとウルドナートの後ろに控えて命令を待つ執事服やメイド服姿のウルドナートの配下の神々…
なんだこの状況?
てかこれ概念使って出したの?
人の事言えねーけど、能力の無駄使いし過ぎだろ?
「ラグア様、私達何しに来たんでしたっけ?」
「いや、確かコイツを殺しに…」
「なんでこんな状況になってるんですか?」
「…知るか」
俺は吐き捨てる。
そんな俺の疑問にウルドナートが答える。
「確かに最初は君たちに思うところはあったよ。けどねよくよく考えたら君たちもあのジジイの被害者な訳だ。ボクはねっ、ボクの宇宙をめちゃくちゃにしようとしたあのクソジジイが許せない。協力しようじゃないか?共にあのクソジジイを殺そう」
ウルドナートは考えた。
オリジンゴッド2体は自分では止められない。
こんなはずじゃなかった。
アイツのせいでっ、アイツのせいで!!
全てはあのクソジジイのせいだ。
ん?
そこまで考えた時に1つの考えが浮かんだ。
味方を変えれば彼らも被害者ではないのか?
敵の敵は味方だ。
確かに2対1ではあの2人には勝てないが、ボクは腐ってもオリジンゴッドで最高神だ。
あの2人もボクと手を結ぶ事にメリットはあるはずだ。
ウルドナートの提案はそう思っての事だった。
「ラグア様っ、この人絶対いい人ですよっ!?いいですよ。共にあのクソガキを討ち果たしましょう」
「勝手に返事すんじゃねー!!とりあえずお前は黙れっ!!」
俺はエリローズを怒鳴りつけるのだった。




