第227話九天大戦18
ゼオンは目の前の女を観察する。
いくら相手の力を判断する能力が欠けているゼオンとは言え、ただの雑魚ではない事ぐらいはわかる。
確かアイツは宴の時にいたラグアの手下だったはずだ。
ゼオンは思い出す。
「よう、雑魚じゃねーみたいだが、ラグアの手下ごときがオレを止められるのか?ラグアを出せよ?まあ、いねえのはわかってるけどな?」
ゼオンはそう挑発気味に言った。
「ふふっ、私がラグア様の手下ですか?違いますよ?まあ、私はラグア様の姉みたいなものですね。さて、あなたを止められるかですが、鈍感なあなたにもわかるようにしてあげましょう。そちらのお嬢さんは薄々格の違いに気づいてるみたいですがね?」
ゼオンはアナシスタの方を見ると、アナシスタは真っ青な顔で震えている。
「…領域展開、概念、消滅」
エリローズのその言葉と共にオリジンゴッドとしての真の力が解放される。
概念の波動は一瞬でイグロシアル全土を覆い尽くす。
「はっ!?」
ここまでやられれば、いくらゼオンでもわかる。
概念、それは生まれながらの絶対神であるオリジンゴッドの証…
領域展開、それはオリジンゴッドでもほんの一部しか使えない神々の王の証…
遠い昔に最高神ウルドナートが言っていた言葉を今思い出す。
「バカなっ、まやかしだっ!!こんなのありえるはずはねぇっ!!」
ゼオンは叫んだ。
そんな中、アナシスタの対応はゼオンとは正反対だった。
綺麗な土下座である。
「すいませんでした。どうかお助けください」
「は?お前、まやかし相手に何言って…」
ゼオンはアナシスタの変わり身様に思わず言うが、言い終わらないうちにアナシスタが叫ぶ。
「黙れ脳筋魔王っ!!お前なんかについたのがそもそも間違いだったわ!!」
「…貴様ぁぁっ!!」
ゼオンはアナシスタを殺そうとするが…
「ダメですよ?2人共生かして捕らえないと可愛い弟に嫌われちゃうじゃないですか?」
エリローズが言い終わるとゼオンの動きが停止する。
なんだこれは…
意識はある。
だが、動けない…
ゼオンは思った。
「領域展開の中では私が絶対の神なんですよ。理屈抜きに大抵の事はできます。今のはあなたの動くと言う感覚を消しました。領域展開が通用しないのは、上級魔神クラスから…。まあ、あなたがそこまでたどり着く事はどうやら無さそうですけどね?」
その言葉を最後にゼオンの意識は暗転する。
今度は意識を消されたのだ。
「さて、もう1人の方は私とお話しでもしますか?」
エリローズは邪悪な笑みを浮かべて言ったのだった。




