表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
265/1167

第223話九天大戦14


2人のセリーが同時に技を発動させた直後、聞こえるのは動きを封じられたナタリーの呻き声…

ではなかった。


ちっ


まず聞こえたのはセリーの舌打ちだった。

分体は何かのギフトの直撃を受けたのか消滅していた。


くそっ、新手か。

セリーは周りを見渡すと1人の男がいた。

そしてタイミングを見計らったかの様にラディアも戦線に戻ってきた。

次から次へと…


「儂はウラドス、九天の1人だ。多くは語らないが、ここでお前を倒す」


自分の分体の一体を倒した男が言った。


戻ってきたラディアと今まで戦っていたナタリーも加えて共闘する様だ。


セリーは口元に凶悪な笑みを浮かべながら言う。


「ウジ虫共がっ。上等だ。ラグア様に歯向かったらどうなるか深く刻みこんでやる」


青い髪を振り乱し、その目を狂気に染めながらセリーは突っ込む。



〜〜〜


「嘘っ、3対1なのに…」


ナタリーは言った。

拮抗…

ウラドスはまだギフトは使ってないが、それでも3対1なのだ。

本来なら拮抗などするはずもない。

だが、本気を出したセリーの姿はまさに異様と言っても良かった。

現在のセリーは先程盾に使った、強力なアンデットを背中に融合させている。

その背中からは何本もの触手が伸び、その姿はまるでラグアの千手観音モードの様である。


アンデットを生み出し完全制御し、セリーの任意で触手や盾に自由自在に変化する死霊帝、そしてアンデットの触手や盾に凶悪な力を纏わせる魔導帝、そしてそれらが破壊されたとしても一瞬で再生する不滅の帝…

そして、何よりそれらを同時に完全に制御できるセリーは紛れもなく天才だった。

これが、セリー。

これがナンバー3…


「クソっ、ラグアってのは配下も化け物かよ…」


ラディアは毒づいた。


「どけっ!!発動、エンペラーギフト、黒竜の帝国」


ウラドスがラディアを突き飛ばし前に出てギフトを発動させる。

巨大な黒竜が現れセリーに襲いかかる。


「発動、死霊帝、形態変化、腐竜の大蛇オロチ


セリーはそれに対し触手を竜頭に変化させて迎え討つ。


激突、そして轟音…

黒竜が加わりセリーの戦いは更に激しさを増す。



くそっ

これでも倒し切れんか。

だが、それは向こうも同じ事…

その集中力いつまでもつかな?

ウラドスは思う。



〜〜〜


「ちっ!?」


セリーはナタリーのデスマシンガンを間一髪で避ける。

黒竜込みで4体1…

さすがに帝級クラス4体との同時戦闘は、いかにセリーでも厳しいものがある。

それでもセリーは先程から二度、黒竜を引き裂く事には成功している。

だが、それがギフトの為か黒竜はすぐに再召喚される。

ならば術者であるウラドスを殺せばいいのだが、そうもいかない。

それは主である、ラグアの所有物であって自分が殺していいものではないのだから…

同じ理由でナタリーやラディアも殺せない。

しかし、このままでは…

いずれ自分の集中力が切れた時、致命的なダメージを食らって負ける。

ならばどうする?

セリーは考える。


セリーが押されはじめたその時だった。


「セリー、苦戦してるみたいだな?援軍に来たぜ」


にこやかな顔をして突如現れた茶髪の男を、セリーは全力でぶん殴るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] すみません、ゴットやアンデットなど、ドだけトになってるのでなにか意図があるのかなと。 ご不快にさせて申し訳ないです。ここまで楽しんで読ませて頂いております。
[気になる点] なんで濁点ぬきがちなんでしょう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ