第218話九天大戦9
「進めっ、目指すは魔王ラグア。ゼオン様に逆らう者共を皆殺しにしろっ」
「出でよ私の下僕達よ。何万、何億体やられても構わん。ゴミ共を蹴散らせっ」
ゼオンの軍とセリーのアンデット軍団は激突する。
〜〜〜
さて、セリー達ははじめたみたいだな。
こちらも動くとするか。
俺はそう思い索敵を全開にするが、ゼオンはまだ来ていないようだ。
ならば俺の敵はなし。
のんびり餌を探すとしよう。
索敵をゼオン以外に集中させると、俺の餌になりそうな反応かなり多い。
えーっと5体ってとこか?
そのうちに2体は九天のウラドスとナタリーってヤツだな。
見ると、ちらほらゼオンの手下に紛れて奴らの手下も見える。
竜族系が主体のウラドスの軍を見る限り、ウラドスは竜王ってヤツだろうな。
俺はそんなどうでもいい事を考える。
逆にナタリーの軍はいろいろ混在しすぎて、統一性が一切ない。
まあ、ただの餌に興味もないからいいけどな。
ちなみに反応を見る限り、ここから一番近いのはそのどちらでもない3体のうちの1体だ。
まずはそちらに行くとしよう。
俺は転移を発動させる。
〜〜〜
「くそっ、俺の軍が押されてやがる。レムレス様、個々の力はこちらの方が上ですが、数が多すぎます。ヤツら何者なんでしょう?」
「ウラマ、貴様そんな事も知らんでよくレムレス様の四天王が務まるな。魔王ラグアの下っ端中の下っ端だよ」
そう言った男は目の前のアンデットを100体程まとめて吹き飛ばしながら言った。
「しかし、ゼオン様は何を…」
ウラマがそう言いかけた瞬間これまで、静観していたレムレスの表情が変わる。
「…ウラマ、貴様、我輩の手や足の分際で我が神の為さる事に口を出すのか?」
「いっいえ、その様な事は…俺はただ…」
だが、ウラマの言葉は続かなかった。
なぜならウラマは肉片に変わり果ててしまったからだ。
「「!?っ」」
残ったウラマ以外の四天王、そしてそれぞれの八魔将、そしてその隊長格達が驚愕の表情を浮かべる中、たった1人言葉を発した男がいた。
「魔王ラグア。最初に我輩のところに来るとは、運がいいのやら悪いのやら…」
大魔王、ゼオン・ヴェルゾアス、三魔王の1人、レムレスは言った。
レムレスは魔王ラグアと決めつける形で言ったが、それはある程度の情報を持っていたからである。
そう。
なんの目的かは知らないが、魔王ラグア自身が自ら前線に出ていると言う情報を。
まあ、だからこそこのタイミングで戦いを仕掛けたのだが…
「よお、今度は下っ端じゃねーみたいだな?ゼオンが出てくるまで楽しく遊ぼうじゃねーか。まあ、遊び相手はいっぱいいるみたいだしな?」
俺は目の前のリーダー格の男に向かって言ったのだった。




