表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
256/1167

第215話九天大戦6


おかしい…

悪魔達と戦いながらサウロスは思う。

確かに強い事は強い。

だが、7体の悪魔達は個々に勝手に動き、時たま味方同士で邪魔をし合うシーンも見受けられる。

これでは連携もなにもあったもんじゃない。

そして、その強さ自体も中途半端だ。

コイツらはエンペラーギフトを持つ自分にダメージを与えられるのは、なんとなく感覚でわかる。

だとすれば確実にエンペラーギフト持ちだ。

現在サウロスはエンペラーギフトをまだ1つも解放してないにも関わらず、悪魔達と渡り合う事はできている。

エンペラーギフト持ちが7体集まってこの程度?

バカな。

弱すぎる。

サウロスは思った。


サウロスは気づいていないが、帝級スキル、七大罪の真骨頂は術者に対する強力なバフにある。

HP超高速回復、ダメージ無効、ステータス大幅補正などだ。

そして術者がこの場にいない今、それはなんの役にもたたない。

悪魔達の戦闘能力など完全におまけだ。

しかも連携自体も術者が指示を出してはじめて機能する。

ラグアから味方以外の、城内に侵入しようとする者を排除しろとしか、命令を受けていない七大罪にとっては仕方のない事だった。



実力は拮抗か。

だが、長引かせると増援がくるかもしれない。

ここで決める。

サウロスは自らのエンペラーギフトを解放する。


「発動、エンペラーギフト、鋼の帝国」


その瞬間、サウロスの周りにいくつもの巨大な金属片が現れる。

エンペラーギフト鋼の帝国の能力は金属の召喚、そして金属に対する完全操作だ。

金属片がまるで意思を持ったかの様に悪魔達に襲いかかる。

形勢は一気にサウロス側に傾きはじめた。


サウロスは金属片の攻撃は維持しつつ、次の準備に取り掛かる。

その場所は地中…

悪魔達の真下だ。

地上の金属片は完全な囮だ。

サウロスは比較的、動きの少ない3体に狙いを絞ると鋼の帝国を全力で叩きこむ。


「アイアンメイデンっ」


動きの少ない悪魔、具体的には怠惰、傲慢、強欲の三体が突如地中から現れた金属の塊にぐしゃぐしゃに押し潰されて消滅する。


あと4体…

サウロスが次の悪魔を倒そうとした時だ。


「残念、時間切れだ」


突如少年の声が響き悪魔達は消滅する。


悪魔達がいなくなったあと、あたかも今までそこにいたかの様にそこに立っていたのは、まだ少年と言ってもいい見た目の男だった。

透き通る様な真っ白な髪と逆に見る者を震え上がらせる、狂気の感情を覗かせる真っ赤な瞳。

そして全身から発せられる濃厚な殺気と、エンペラーギフト持ちであるサウロスが逆立ちしても勝てないと思うような圧倒的な力…


「よく来たな。ゼオンの手下じゃねーみたいだが、歓迎するぞ。しばらく俺の遊びに付き合えよ?」


少年…ラグア・エルライドは言ったのだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ