第213話九天大戦4
「よし、通せ。それからダミーエルライド王国内のアンデット部隊を退かせて、イグロシアル全域に出してるヤツと入れ替えろ」
俺はそう言いながら、七大罪と餌回収部隊を退かせる。
「しっしかし…わかりました」
セリーは何か言いたげだったが、そう答えた。
最初にセリーが呼び出したダミーエルライド王国内にいるアンデット達約5億は、イグロシアル全域に散らばる有象無象のアンデットよりは数段上だ。
と言っても王級クラスなら簡単に抜けるレベルだけどな?
まあ、念には念を入れないとな。
また前回みたいなのは冗談じゃない。
久々の客人だ。
俺がじきじきに相手してやる。
まあ正確には、俺の暇つぶしの玩具なんだけどな?
〜〜〜
バンッ
玉座の間の扉が思い切り開く。
扉が開いて入ってきたのは、三人の男女だった。
10代後半ぐらいのガキが1人、ジジイが1人、20代前半ぐらいの女が1人。
だが、扉を開いた瞬間三人は固まる。
今この部屋には特別幹部以上の俺の配下達とその他暇人共が勢ぞろいしている。
「ラグア様、さすがにその他暇人っのはひどいですよ」
エリローズの言葉を無視して、俺は三人を見る。
10代後半のガキが言う。
「ぼっボクは…ロードル帝国の勇者…」
は?
勇者がこれ?
どうみても王級にすら達していない、ガキを見て俺は首を傾げる。
ガキは更に続ける。
「サウロス様の三番弟子、ニルスだっ、九天、ラグア・エルライドっ、このイグロシアルでこれ以上の蛮行は…」
勇者ですらないガキの言葉はそこで止まる。
俺が軽く殺気を放ったからだ。
「なあ?どんな気分だ?RPGで魔王を倒しに行ったら魔王がHP無限設定の化け物だった気分は?」
俺は広角を釣り上げながら言った。
まあ、自分で言っててなんだけど、そんなゲームは次の日にはゲ◯に売ってる。
とゆーか作ったバカをぶっ殺してるわな。
俺は思った。
「もういいや。こんなの暇つぶしにもならん。エリス、コイツら玩具箱に入れとけ」
「はっ」
そうエリスが答えたと同時に三人の意識は刈り取られる。
ちなみに玩具箱はその名の通り玩具箱だ。
俺があとで拷問して殺す玩具を、とりあえず入れておく檻である。
三人の男女はいつのまにかセリーが呼び出したアンデットに担がれて運ばれていく。
にしても、また期待はずれだったわ。
まあ、それでも遊ぶんだけどさ。
俺がそんな事を考えていると…
「ラグア様、再びダミーエルライド王国内に侵入者です。帝級クラス一体、王級クラス三体です」
セリーが言った。
ようやく楽しめそうだ。
俺は退かせた七大罪を城の前に戻す。
これでしばらく時間稼ぎになるだろう。
さて、七大罪がやられる前に俺が出迎えてやるか。
俺は玉座の間にいるメンバーを見渡す。
ここで迎え討ったらただのイジメだ。
俺はそんな事を思いながら玉座の間を出るのであった。




