第208話九天大戦前夜2
さて、準備完了と。
なんか俺の配下じゃない九天メンバー達が唖然としてるけど、ほっとこう。
俺はダミーエルライド王国の大会議室の豪華な椅子に座り直し、再び本体と分体を入れ替えて分体に戻った。
ん?
なんでダミーエルライド王国作ったかって?
いやさ、青空の下で会議とか恥ずくね?
と言うか嫌じゃね?
「相変わらずめちゃくちゃやりますね?お客様方みんなドン引きですよ?」
誰も何も言わない状況の中、俺にこんな事を言うヤツは当然1人しかいない。
「いや、お前も人の事言えねーだろーが。領域展開とか俺できねーよ」
俺はすかさず突っ込んだ。
てかコイツの相手してると話が進まない。
今回は一応作戦会議の名目で集まっている。
俺がそんな事を思っていると、一番最初に硬直状態から回復したフィローラが呟いた。
「…これがオリジンゴッド…ここまでとは…」
続いてバルトも硬直状態から回復する。
「さすがはラグア君だね。正直想像以上だったけど、これなら僕らの勝利は決まったようなものだね」
最後にルルも回復するが、こちらはなんか方向がおかしかった。
「ラグア様、このルル・オルガット、一生ついていきます」
は?
そんなルルの顔は心なしか紅い。
「おや?ラグア様?もしや本気で惚れられたんじゃないですか?」
いや、確かにさ配下にとかじゃなくて一生ついていくとか言ってるけどさ。
よし、よくわからない問題は先送りだ。
ちなみに前世の俺は特定の女はいなかった。
何回かそうゆう関係になりそうな事もあったが、こちとら逃亡生活の身だ。
基本的にヤリ逃げである。
いや、今はこんな話はどうでもいいか。
ルルは思い返す。
ラグアと自分との出会いは正直最悪だった。
九天、6位のフレストが殺され、同盟を結ばなければ自らも危ういと言う状況にまで陥った。
正直、成り行きで味方になってしまったが、今回ラグアの理不尽すぎる能力を見て自分の心が動いたのがわかった。
あの理不尽な力、森羅万象…
あれは自軍や味方の被害をかえりみない残虐な魔王ならあんな事をする必要はなかった。
だが、同時に自分はケルティカに対して最後に言ったラグアの言葉も覚えている。
自分も九天の1人だ。
敵に対しては決して容赦しない。
そこはラグアと同意見だ。
全能に近い完全な力、魔王としての残虐性、これだけならただの残虐な魔王として片がつく。
だが、強大な敵を相手に少しでも戦力がほしい状況であの判断…
同じ統治者として、尊敬に値する。
ルルの言葉はそう思っての発言だった。
ルルのその感情が、エリス達の様に狂信に傾くのか、はたまた情愛に傾くのかは、この時は誰もわからなかった。
よし。
200話超えたし、ここらで主人公の事が好きなキャラでも出してみよう。
そんな思いつきで書きましたが感情描写が苦手な私はちょっと後悔してます…




