第198話ラグアVSフレスト4
フレストの視界が真っ白になる。
だんだん彼の視界が徐々にがはっきりしてくる。
「ようこそ、ボクの空間へ。この空間の入場料はもうもらったよ」
フレストがステータスを確認すると確かに不老が、消えている。
「あなたがっ、いやあなた様がっ」
「そう。ボクが最高神ウルドナート。それで?ここに来たって事は力がほしいのかな?」
「はっはいっ」
フレストは答えた。
「どれどれ、こんなリスクの塊みたいなギフトを使うぐらいだから相当なものなんだろうね………」
そこでウルドナートは押し黙る。
彼は見てしまったのだ。
ラグアを…
正確にはラグアが普段、表に出していない本体の力を…
「最高神様?」
フレストは押し黙るウルドナートを不思議に思い言った。
「…ごめん。アレは無理だわ。特別に入場料は返すし、タダで逃走にむいたエンペラーギフト一個つけるから許してね?」
「は?」
フレストは最高神の言葉の意味がわからなかった。
だが、既にウルドナートはフレストの言葉など耳に入っていない。
「と言うかボクも自分の心配しないと…あのクソジジイっ、なんてものを押し付けてくれたんだよっ」
最高神同士で別の宇宙の最高神に誰かを送る場合は、送る側が送られる側より力が上な事が最低条件だ。
つまり、アルムスのある宇宙の最高神よりイグロシアルの宇宙がある最高神の方が弱い事を示していた。
ここでウルドナートはフレストがいた事を思い出す。
「悪いけど急用ができたから、あとは頑張って」
「は!?ちょっと…」
フレストは強制的にイグロシアルに戻される。
〜〜〜
なんだ?
フレストが自信たっぷりの笑みを浮かべた後、一瞬揺らいだように見えた。
なんかのギフトを使ったのか?
本体ならともかく分体じゃ全くわかんねー
マジでこの体不便だわ。
さっさと神格化しねーかな?
俺は思った。
だが、揺らいだあとのフレストの表情は悲惨なものだった。
なんか知らねーけど、最後の賭けに失敗したみたいだな。
まあ結果オーライだ。
俺は言う。
「どうやら最後の賭けに失敗したようだな?まあ思ったよりは楽しめたわ。死ねよ」
いっせいに俺の無限分裂した俺の分体が襲いかかるが…
「発動、エンペラーギフト、空間の帝国」
フレストが消える。
そして中心にいた敵がいきなりいなくなった事により、俺の分体達が同士討ちをはじめる。
「…クソっ」
俺はメロンソーダの残りの入ったコップを地面に叩きつけるが、すぐにこんな時のために用意しておいたのを思い出して言う。
「エリローズっ、捕らえろっ、逃がすなっ」
どこからともなくエリローズが現れる。
「………ラグア様、もしかして配置するだけ配置して、私の事忘れてました?とゆうか、さっきからふざけ過ぎですよ?あっ、ポテチとメロンソーダはあとで私にも下さいね?」
「あ?忘れてる訳ねーだろ?というかお前にだけは、ふざけてるのを、どうこう言われたくねーわ、クソアマ。てか、ポテチとメロンソーダ欲しいなら仕事しろや。今回お前何もしてねーだろ?」
「とんだブラック企業ですね」
「黙ってさっさといけっ!!」
俺がそう怒鳴るとエリローズが再び消える。
まあ、アイツに任せとけばじきに捕まるだろう。
「エリス、メロンソーダはもういいからコーラくれよ」
俺はエリスに向かってそう言ったのだった。




