第197話ラグアVSフレスト3
まず手札を確認しよう。
失敗は許されない。
フレストは自分の持つエンペラーギフトを確認する。
エンペラーギフト、光速の帝国
ステータス表示の俊敏の項目をステータス限界まで底上げする。
ステータス表示は∞となる。
エンペラーギフト、獄炎の帝国
地獄の業火を操る事のできるギフト。
広範囲残滅、局所的な破壊など炎に関する多種多様な技が存在する。
エンペラーギフト、生命の帝国
生命に関する能力の一部を使用できるギフト。
対象の再生能力を極限まで引き上げる。
また、対象が死んだ場合、その死の事象を改変することができる。
インターバルは5秒。
5秒以内にもう一度死んだ場合事象の改変は不可能。
エンペラーギフト、付与の帝国
自身のHPを消費する事で、キングダムギフト以下のギフトを生み出す。
また、自身の眷属に対し付与する事が可能。
エンペラーギフト、天眼の帝国
自身の目に写ったものの本質を見抜く。
また、石化、即死、沈黙、魅了、破壊の能力を操る。
ただ、対象の力により効果は異なる。
エンペラーギフト、不屈の帝国
自身の心が折れない限り、全ステータスに極大補正がかかる。
エンペラーギフト、ウルドナートの天秤
………
〜〜〜
フレストは考える。
上から6つはっきり言って役立たずだ。
確かに強い事は強い。
同格クラスにはこの上なく有利に戦闘を進める事ができるギフトばかりだ。
だが…
フレストは周りをぐるりと囲んでいる無数のラグアを見る。
あれはいくらなんでも無理だ。
残る手段は1つ。
エンペラーギフト、ウルドナートの天秤
イグロシアルの最高神ウルドナートが気に入ったものに気まぐれで与えるギフト…
使用すると概念、天秤の力で対価に応じた力を授ける。
また、使用するとユニークギフト、不老は永久消滅する。
このギフトは五千年程前に、当時の九天全員に対してフィローラ殿が最高神を通して配ったギフトだ。
もっとも当時の九天で現在も生き残っているのは、6位以上…つまり、フィローラ殿を含めて6人しかいないが…
もしかしたら使ったものもいるのかも知れないが、今となってはわからない。
死人に口なしだ。
そもそも使ったものがいるかどうかも怪しい。
ユニークギフト、不老の永久消滅はリスクが大きすぎる。
例え戦いに勝ったとしても、それはただの延命でしかない。
だが、自分はこのギフトを使う。
例えそれがただの延命だったとしても、九天の1人としてラグアになめられたまま終わる訳にはいかない。
ならば太く短くだ。
フレストはニヤリと笑う。
「発動、エンペラーギフト、ウルドナートの天秤っ」
その瞬間フレストの視界は真っ白になるのだった。




