第196話ラグアVSフレスト2
全てを焼き尽くす地獄の業火が大地を駆け巡り空を焼く。
後に残されたのは、焦土とかした変わり果てた大地と乾いたヒビ割れた空…
そうなるはずだった。
だが結果は大爆発がおこり、それを抑えたラグアの分体が一体消滅するにとどまった。
「ほう、俺の分体が一体持ってかれたか。予想以上だな」
俺はポテチをポリポリ食べながら言った。
「まあすぐに元に戻るけど」
俺の分体が再び分裂して前線にいる分体は二体に戻る。
え?
何をしたかって?
フレストがヘルハザードを撃った瞬間に、帝級スキル、水星帝で相殺しようとしたんだけどさ…
うん、実際相殺はできたよ。
ただ水蒸気爆発で一体もってかれたけど…
うん、さすがに遊び過ぎたわ。
ここからはちょっとだけ真面目にやろう。
俺は思った。
にしても…
俺はフレストを見る。
フレストは無傷である。
神のステータスでも分体を一体犠牲にした爆発を受けてだ。
まあたぶんなんかのスキル…いや、ギフトだろう。
じゃないと直撃を受けたにも関わらず、無傷の説明がつかない。
即席玉座に座ったまま俺は言う。
「さすがにふざけ過ぎたみたいだな。少し真面目にいくわ。発動、帝級スキル、不滅の帝、無限分裂」
フレストに無数の俺が襲いかかる。
〜〜〜
いける。
全力を出せばこの程度なら。
フレストは口角を吊り上げる。
ヘルハザードを撃ったのはラグアを殺すためではない。
正確には後ろにいる、ラグアの配下の数を減らせればよかった。
その分自分の経験値になり、ラグアとの差も縮まる。
その程度の考えだった。
だが、結果はどうだ?
ラグアの行動は予想外の一言だった。
相殺を狙って同威力の技をぶつけてきたのだろうが、相殺どころか大爆発を起こして威力が倍増した。
本来自分のヘルハザード程度では、分裂したラグアを傷つける事はできても倒す事はできなかった。
バカなのか?
いや、ヤツは所詮分体…
おそらく相打ちの為の捨て駒にしただけだろう。
さすがにあの威力は、こちらもエンペラーギフト、生命の帝国を使わなければ完全に死んでいた。
それにしても…
本体と遜色ない分体を操るとは大した能力だが、これぐらいならなんとかいけるか?
だが、フレストのそんな甘い考えは次の瞬間、一瞬で消え去る事になる。
悪夢だ。
いや、そうとしか表現できない。
たった二体でも十分に強い化け物に囲まれている。
その数はもはや数えきれない。
全力を出せばどうにかなる?
ふざけんな。
こんなのどうにもなる訳ない。
フレストは思った。
いいだろう。
認めよう。
コイツは…
魔王ラグアは正真正銘の化け物だ。
自分はその化け物と敵対したのだ。
相応のリスクを背負わなくては勝てない。
フレストは奥の手を切る覚悟を決めたのだった。




