第184話九天達の宴
俺は目を見開いた。
マズイ…
あの言い方は、俺が分体だと言う事が完全にバレている。
まあ、この世界の創造神ならわからないでもないが…
ならばどうする?
この場で目撃者全員消すか。
俺はそう思い本体に意識を移そうとした時だ。
フィローラが再び口を開く。
「すまなかった。こちらから招待しておいて失礼な事を言った。だが、幸い気づいているのは、我1人。そして我はこの事は誰にも話すつもりはないと約束しよう。それでこの場は収めてくれないだろうか?」
その言葉に九天達はざわつく。
九天、序列第1位フィローラ・イグロシアルは文字通りこの世界の頂点だ。
そんな存在が新参者の九天の8位ごときに謝罪をした。
それだけで他の九天達を驚愕させるには、十分過ぎた。
俺はフィローラの言葉に答える。
「いいだろう。それでこの場は収めてやる。その代わりこの宴が終わったら俺の城へ来い。今度は俺が招待してやる。いろいろ話も聞きたいしな?」
ラグアの言葉を聞いた九天達は再びざわつく。
そして、九天達は皆一様に同じ事を思った。
コイツ死んだと…
事実、不用意な発言をしただけで消された九天を何人も見てきた。
この新参者の九天も同じ事になる。
皆そう思った。
だが、続くフィローラの言葉でそれは裏切られる。
「わかった。宴が終わりしだい、そちらに邪魔する。この話はこれで終わりでよいだろうか?ならば宴を始めよう。皆…」
フィローラがそこまで言いかけた時だ。
6位の席から1人の男が立ち上がり、俺に向かって怒鳴る。
「待てやっ。ラグアとか言ったか?8位ごときがフィローラ殿に失礼だろうがっ。あんま調子こいてんじゃねーぞ?」
「あ?誰だてめえ?誰に喧嘩売ってんのか教えてやるよ?」
俺は殺気と帝級スキルを解放する。
それだけで7位と9位の九天は震え上がった。
明らかに自分達より遥か格上の存在…
7位と9位の九天はそう思った。
だが、張本人の6位の九天の認識は少し違った。
彼は直情的だが、バカではなかった。
たしかに強い。
はっきり言って自分より上だ。
8位と言う序列が詐欺だと思うような力を感じる。
だが、それまでだ。
戦えばおそらく自分は負ける。
勝率はおそらく1割を切る。
だが、せいぜいそのレベルなのだ。
もし、自分がフィローラと闘えば何億回…いや、何兆回戦おうが一瞬で殺されるだろう。
アイツが勝てるのはせいぜい5位までの九天が限界…
4位以上の九天は、はっきり言ってレベルが違う。
なのに何故、フィローラはあんな態度を?
わからないが、今更あとには引けない。
6位の男もエンペラーギフトを多重解放する。
一触即発…
そんな空気だった。
だが…
「やめろ。フレスト。主賓に対して喧嘩を売るつもりか?殺すぞ?」
そこには神格エネルギーを完全解放した、フィローラが立っていたのだった。




