第172話保険
なんとかっていう貴族が訪ねてくる日になった。
結局セリーに名前聞きそびれれたわ。
まあ、いいや。
ステータス見ればわかる。
ちなみに万が一の為に俺は安全マージンをとった影響で、今の俺はかなり…いや、壊滅的と言ってもいい程力が落ちている。
何をしたかって?
簡単に言うと本体を次元の神で作り出した、亜空間に引っ込めた。
現在の俺は不滅の帝で作り出した分体である。
不滅の概念を持っていて死ぬ事のなくなった俺だが、最高神の封印、分譲みたいな概念はさすがにマズイ…。
まあ、さすがにないだろうが、用心にこした事はない。
いざとなったらいつでも本体に意識を戻せる。
それにこの体だって、神級スキル、神格エネルギー、オリジンゴッドのステータスは使えないが、通常の神のステータスと帝級までのスキルは使える。
正確にはオリジンゴッドのステータスは使えない事はないが、神格エネルギーのないこの体で使ったら体自体がぶっ壊れる。
オリジンゴッドのステータスは、神の∞表示ステータスすら遥かに凌駕する。
そんな力を帝級クラスの体で使ったら、ぶっ壊れるのは当然だ。
まあいい。
それよりなんとかっていう貴族だ。
と言うか俺、神の力がないと索敵系は壊滅的なんだよな。
おい、エリローズ。
いるんだろ?
なんとかっていう貴族はもう入国したのか?
「はい、ラグア様。先程入国してもうこちらに向かってますね。それにしても…」
あ?なんだよ?
「ずいぶん可愛い体になりましたね。そんなラグア様も好きですよ」
「黙れっ、殺すぞクソアマっ」
「やれるものなら。何兆年経っても決着なんかつきませんよ?」
クソがっ
だが、確かにそうだ。
不滅の概念を持っている俺は死なないし、かと言って俺はコイツを殺せない。
まあ、あのクソアマはいつか必ず殺すが、昔と違ってそこまで急いでる訳でもない。
だが、アイツを俺が殺す結論は変わらない。
それはエリローズが存在意義だと言っていた様に、俺の矜持でもある。
死んでも口には出さないが、アイツにはなんだかんだ世話になった。
アイツは必ず俺が殺す。
それが俺の…いや、俺にしかできない最高の恩返しでもある。
「嬉しいですよ、ラグア様。そこまで私の事を…」
「クソアマがっ、上等だ。今すぐ殺してやるよ」
俺が亜空間の本体に意識を移そうとした時だ。
「ラグア様。お客様がお見えになりました」
ノックの音と共にエリスの声がするのだった。




