第166話第二次神魔大戦13
「さすがラグア様です。やはり私が見込んだだけの事はありますね。お母さん嬉しいですよ」
「てめえはとりあえず、お母さんかお姉ちゃんかはっきりしろや。キャラがブレブレなんだよ」
俺はエリローズの元に戻り、いつものやりとりをする。
力が戻った最高神はこちらを睨みつけている。
折れた首や腕も神格エネルギーが戻った瞬間に一瞬で再生している。
最高神は言う。
「儂が…宇宙最強と謳われたこの儂が…。貴様、何故…?」
あのジジイまだ現実が理解できてないみたいだ。
あのチート野郎は特にそうだが、アイツはステータスに頼り過ぎだ。
オリジンゴッドの圧倒的なステータス、キチガイみたいな複数の概念、まだ見せてはいないが数々のスキルもあるだろう。
おそらくアイツはそれらを使うだけで、いままでまともに苦戦すらした事がなかったのだろう。
だからこそ、その有利が剥がれた後はこの様だ。
まあいい。
あとは、ミグから奪った黄泉の神を使ってエリローズに自爆技を繰り返させるだけで、俺の勝ちだ。
俺は言う。
「エリローズ、トドメだ。やれ」
ミグの神級スキル、黄泉の神は俺のところにはきていない。
つまりエリローズが持っているはずだ。
「ん?トドメはラグア様の役目ですよ?さあ、黄泉の神を使ってサクッとやっちゃいましょう」
エリローズが答えた。
……………。
ちょっと待て。
会話が噛み合わない。
いや、俺の予想通りだとこれは非常にマズイ…。
ふざけんじゃねーぞ。
黄泉の神どこに行ったんだよ?
「さあ?」
さあ?じゃねーよ、クソアマがぁぁ。
俺は心の中で毒づく。
最高神は言う。
「どうやら、儂にも運が向いてきたようだな。だが、儂も貴様ら2人相手に、殺しきれるかと言われれば、難しいとしか言えないな」
先程のステータス無効空間なら、最高神も俺を殺せたのだろう。
だが、ステータス無効空間を作り出した結果、俺にボコられて終了と言う悲惨な結末に終わった。
「とは言え、このまま貴様等を野放しにしておくわけにもいかぬ。かと言って戦っても確実に勝てるとは、言えない。儂が負ける事は宇宙の破滅を生む。そんな賭けはできない」
最高神はそこで一度言葉を切ってから言う。
「気は進まないが、問題事は他の最高神に押し付けてしまうのが得策」
その瞬間俺とエリローズを白い霧が包みこむ。
「おい、エリローズっ。なんとかしろっ」
「うーん、攻撃ではないので防ぎようがありませんね。攻撃なら消滅させて終わりなんですけど」
エリローズは答えた。
「一応、こちらに戻ってこれない様に封印はかけさせてもらうが、貴様ならいずれ解いてしまうだろう。それまでにこちらも貴様を倒せる力は得ておくとしよう」
最高神のその言葉を最後に俺とエリローズは飛ばされる。
最高神の話では、行き先はおそらく他の最高神の管轄…
こうして、第二次神魔大戦は、引き分けと言う形だが、一応の幕切れをしたのであった。




