第163話第二次神魔大戦10
俺は空間の裂け目に突っ込む。
そのまま、入り口にいたセルエムを殴り飛ばして空間に放り込んだ。
神格エネルギーも何もない、ただ純粋に触手でぶん殴っただけだ。
だが、それだけでセルエムは出てきた空間の奥深くまでぶっ飛んでいく。
当然だ。
神としての格が違う。
もし、今の一撃に神格エネルギーを込めていれば、当たった時点で即死だ。
まあ、神格エネルギーは込めてないから、あれだけぶっ飛んでもダメージはないはずだ。
目の前には、おびただしい数の神、神、神。
これなら…
俺は考えていた事を実行する。
「発動、万物の神、時空の神、次元の神、森羅万象」
俺は本日二度目の森羅万象を使う。
オリジンゴッドになった今なら、エリローズの手助けなしでも余裕だ。
次元の神を使ったのは、亜空間の座標をエルライド王国などがある場所とはズラしたかったからだ。
たぶんいっしょにしたら、全てが終わる。
俺はビックバンのエネルギーを右手に込める。
込める神格エネルギーは実に9割…
そして、その状態で右手を切り離し、今回の森羅万象の中に放り込む。
俺の神格エネルギーの9割の力を込めたビックバンは発動直前で時間停止し、森羅万象の中に留まる。
俺は急激に力を失い立ちくらみを起こした。
欲張り過ぎたか?
いや、これでもこのザコ共ならいけるだろ。
神級スキル3つも健在だしな。
俺は手近にいた下級神に向かって触手の一撃を叩き込む。
遅え。
自分の触手じゃねえみたいにクソ遅え。
まあ、目の前の下級神はもっと遅えけど…
俺の体に神格エネルギーが流れこむ。
俺はニヤリと笑う。
やはり予想は当たっていた。
これは失った神格エネルギーの回復扱いだ。
つまり、こいつらを全滅させて、さっきのビックバンのエネルギーを取り込めば…
俺は次々と神を引き裂く。
中には空間に穴を開けて逃げようとする者もいるが、逃がす訳がない。
俺は次元の神で、穴の空いた空間の出口を元いた場所に繋げる。
〜〜〜
最終的にこの空間に立っているのは、俺1人だった。
セルエムだけはけっこう粘ったけど、最高神の命令のせいで逃げを優先したのは悪手だった。
神格エネルギーが最も落ちている状態の時に俺に挑めばもう少し手こずったかもしれないのに…
まあ、それでもいざとなったら神格エネルギーを戻せばいいだけだから俺が負ける事はありえないがな…
さて、今回のコレで俺の神格エネルギーは倍になった。
途中から神格エネルギーが全く上がらなくなったから、ちょっともったいない事をしたかもしれないが、もう残りの神の数も僅かだったし、あんまり長引かせてエリローズがやられたら、今度こそ俺が詰むからそのまま皆殺しにした。
にしても、これでもエリローズの方が上なんだよなー。
よし。
戻ろう。
あのクソアマが簡単に死ぬとは思えないからたぶん大丈夫だろう。
俺はそんな事を考えながら元いた空間をあとにするのだった。