第158話第二次神魔大戦5
あ?
何これ?
さっきまでただの作業ゲーだったろ?
おい、エリローズ?
エリローズは言う。
「ふふふっ、最高神のガキの本隊の御登場ですか。面白くなってきたじゃないですか。いいでしょう。久々に全力でお相手しましょう」
その瞬間、圧倒的…
いや、それすらも生易しい死の力を俺は感じた。
これはもはや死そのもの…
「まだまだー。あたしも本気でいくよー。発動、黄泉の神、ソドム・グラファル」
俺の前に前にエリローズと戦ったジジイが現れるが、もはやどうでもいい。
と言うかアイツらなんでコイツ前にして平然としてられるんだよ?
そんな俺の疑問に答えたのは、エリローズ自身だった。
「ふふふっ、実力がかけ離れ過ぎていると私の全力は感じる事すらできませんね。最低でもラグア様ぐらいがギリギリですね。他の方には私はいつもと変わらない様にうつっているはずですよ?」
そんな事をしている間にミグは動き出す。
「さあ、ここからが本気だよ。ゴッドバースト」
それはただの神格エネルギーを爆発させた自爆…
俺が危惧していたものだった。
もはやどうでもいいが…
ミグの神格エネルギーの爆発はミグの体から離れた瞬間に搔き消える。
「え?うそ?なんで?」
ミグは狼狽しながら言った。
「チンケな花火をかき消しただけで何を驚いているのですか?ここからですよ。領域展開、概念、消滅」
エリローズがそう言うと、アルムス中をドス黒いオーラが覆い尽くす。
ドス黒いオーラはアルムスを超えてその周囲にある三色の月までも覆い尽くす。
「これでこの辺りの全ての生殺与奪権は私のものになりました。終わりですよ。イシュトスでしたっけ?さっさと最高神のクソガキを呼んできなさい」
「まだ、まだだよー、ラグアぁぁぁ」
「やめろっミグっ」
イシュトスが制止するが遅かった。
ミグは腕1本に神格エネルギーを集中させて突進してくる。
確かにこれなら、消滅の領域の中でも神格エネルギーを散らされない。
あくまでエリローズがミグに何もしなければの話だが…
「懲りないバカですね。………存在消滅」
ミグの動きが、止まった。
いや正確にはミグを動かしていた何かが消えた。
「いくら神格エネルギーが再生しても存在そのものを消せば終わりですよ。あ、ラグア様。黄泉の神に込められた大量の神格エネルギーは半分個でお願いしますね?」
エリローズがそう言った瞬間、俺の体に大量の神格エネルギーが流れてくる。
熱い熱い熱い。
コレ今までの進化の比じゃねーよ。
「当たり前ですよ。それだけ一気に神格エネルギーを取り込めばオリジンゴッドにまで至るのですから当然ですよ。私もこれでようやく本来の力を取り戻しましたし」
「行けぇっ、最高神様のところに行かせるなぁぁぁ」
イシュトスと大量の神の軍勢が一斉に攻撃を仕掛ける。
「まだいたんですか?もうお腹いっぱいだから大丈夫です」
エリローズのその言葉を最後にイシュトスと神の軍勢は跡形もなく消え去った。
「嘘だろ?あんなのありかよ…理不尽過ぎるだろ…」
それは、一瞬にして作戦が破綻したばかりか主力を文字通り全滅させられたジオの悲痛な呟きだった。




