第156話第二次神魔大戦3
「死ねえー」
俺の無数の触手の連撃がミグを襲う。
俺は先程から、千手観音モードを展開した。
いくらこちらより俊敏で上回っていても、無数の触手はかわしきれない。
これがいくらでもある手段の内の1つだ。
まあ、ぶっちゃけこの方法が一番楽だから選んだんだけどな?
ついにミグに俺の触手が1発当たった。
そこから先は体勢を崩したミグに次々と被弾する。
体に神格エネルギーが流れてくるのがわかる。
呆気ないな。
ミグの勝算がなんだったのかは、今となってはわからないが、もうどうでもいい。
俺がそんな事を考えていた時だ。
「!?っ」
衝撃…
場所は背中…
ダメージはそれなり…
ミグから奪った神格エネルギーの4分の1程度…
「あれー?完全に不意打ちだったのになー。攻撃力が全然足りないや」
そこにいるのは先程確実に殺したはずのミグ…
ミグは言う。
「あれ?いい顔だね。なんであたしが生きてるか不思議?さて?なんでだろうねー」
クソがっ
どうなってやがる。
俺は心の中で毒づきながら、攻撃を再開する。
どうゆう事だ?
考えろ…
俺は千手観音モードで攻撃を繰り返しながら、周囲に意識を割く。
シュドレ、テオレーム、エリローズの方でも同じ現象が起きている様だ。
それぞれ倒した側から復活されている。
まあ、完全に油断しきって不意打ちをくらったのは俺だけみたいだが…
「ラグア様」
エリローズがこちらに転移してきて言った。
「お前、イシュトスの相手は…」
俺はそう言いかけたが、イシュトスの方を見て、その先を飲み込んだ。
なんかクソアマが2人になってんだけど…
あんなヤツ2人もいたらたまんねーぞ?
主に俺のストレスの問題で。
俺の疑問を分かってかエリローズが答える。
「雑魚の相手は分体で十分です。分体は神格エネルギーこそないですが、ステータス自体はイシュトスより上なので足止めぐらいはできますよ」
おい?
今サラッととんでもない事言わなかったか?
上級神の足止めは分体で十分って…
ちなみに余談だが、俺も帝級スキル、不滅の帝を使えば分体は使える。
というか無限分裂を使えばいくらでも増やせる。
だが、神格エネルギーのないゴミなどいくら増やしても意味はない。
それどころか、俺の注意力が散漫になる原因だ。
帝級クラスだった頃は分体と本体の定義が曖昧で全てが本体だったが、今は明確にこの体が本体だってわかる。
まあ、分体自体は神の力を使えないだけで弱くなった訳ではないのだが…
エリローズが言う。
「能力自体はわかりましたが、あの復活は面倒ですね。まあ、神格エネルギーと帝級スキルはおいしいですが」
なんかまたコイツ、サラッととんでもない事言ったぞ?
俺はそんな風に思いながらミグに攻撃を続けるのだった。