152話ラグアとシュドレ4
「あら?出てこないつもりですか?姿を見せる前に殺されたいのですか?」
シュドレの思考回路がショートしていると、エリローズが平坦な口調で言った。
シュドレは慌ててゼギウスに出る様に思念を送る。
目の前にいるあの化け物なら本当にやりかねない…
そう思っての行動だった。
俺は言う。
「あ?てめえ、何勝手に話に入ってきてんだ?でてくんじゃねー。帰れ」
「ふふふっ、こんな楽しそうなお話に参加できないなんて、ひどいですよラグア様」
エリローズはどこまで本気かわからない口調で答えた。
そんなやり取りをしていると、空間が裂けて筋骨隆々のジジイが現れた。
なんかどことなく、雰囲気はソドムに似ているな。
俺はそんな風に思った。
ジジイは言う。
「エリローズ…。久しぶりだな。1000万年ぶりぐらいか?」
「そうですねゼギウス。お久しぶりです。あなたも会話に参加しましょうよ」
「いや、余は…」
ゼギウスは口籠るが、エリローズが消滅の概念をちらつかせる。
「中級神ごときが、私に意見するとは偉くなったものですね。消しますよ?」
ここで俺が会話に割り込む。
「クソアマが、ナメてんのか?コイツ今は俺の配下だからな?」
「あ、そうでしたね。今の無しで(笑)」
エリローズが消滅の概念を引っ込める。
シュドレは考える。
ダメだ。
コイツらの関係がわからない。
おそらくは自分とゼギウスさんと同じ関係なのだろうが、主導権は完全にラグアにある。
いや、自分も主導権自体は持っているか。
ゼギウスさんには俺の考えで、今まで隠れていてもらっていた。
だが、アイツらの関係は自分とゼギウスさんの関係とは違いお願いして、聞いてもらっている様な関係でない事は確かだ。
つまり、ラグアと敵対すればコイツも確実に敵に回る。
例え奇襲でも、化け物2人相手にして勝てる訳がない。
いや、今はプラスに考えよう。
側近になる事には成功した。
チャンスは必ずある。
俺は言う。
「おい、そーだエリローズ。カティアを呼んでこいよ。アイツも他の転生者には会いたがってただろ?」
「そうですね。カティアさんも連れてきますね。なんか5王になって疲れてるみたいですけど、息抜きも必要ですしね」
エリローズが言い終わった瞬間、カティアが部屋着姿のまま、強制転移される。
「え?え?」
カティアは全く状況が飲み込めていない。
顔は完全に疲れきっている。
「よし、みんな揃ったところで若干余計なヤツもいるが、楽しい転生者親睦会といこう」
俺は全体に向かってそう宣言するのだった。




