第146話エリス奮闘記2
「おいおい、俺もいる事を忘れんなよ?行けっ憤怒、色欲、暴食、嫉妬」
ジオの命令に従い、4体の悪魔が攻撃を開始する。
エリスはまっすぐ突っ込んでくる、憤怒に滅拳を浴びせようとするが…
「!?っ」
エリスは大きく後退する。
エリスが今までいた場所には、暴食の当たればただではすまない一撃が通過する。
更に牽制為か色欲の魔法攻撃の連打がエリスを襲う。
更に嫉妬がかわしたところにデバフ魔法を飛ばす。
エリスはそれを全てかわす。
色欲の攻撃は、当たっても防御すれば防げる威力だが、受ければ確実に隙ができる。
嫉妬のデバフはこんな状況で当たれば致命傷になりかねない。
もう何発目かわからない魔法攻撃を避けた時だ。
エリスはシーラとジオの事は絶えず視界の隅にいれていた。
シーラが突然消えた。
どこだ?
衝撃…
「!?っゲホっ」
エリスはおもいきり血を吐く。
「ジオのスキルの悪魔とばっかり遊んでウチとは遊んでくれないとか悲しいわー。ウチ寂しがりやなんだよー?」
エリスは思う。
マズイ…
どうやってもジオとシーラ2人相手では分が悪すぎる。
まだ手は一応ある。
だが、使っても勝てるかと言われれば絶対に無理と言える自信があるし、逃げ切れるかどうかも微妙だ。
大事なのはタイミングだ。
シーラをどうにかするのはどう頑張っても無理だ。
狙うならジオ…
ここぞと言う時まで、奥の手を温存してジオに深手を負わす。
そうすればシーラもそちらのカバーに入らざるおえない。
エリスはフィリムがラグアから帝級スキル、七大罪を借り受けたように、帝級スキル。七大天使を借り受けていた。
七大天使は拳帝で空間に亀裂を入れればいつでも呼び出せる状態だ。
エリスはいったん距離をとる。
憤怒と暴食が追いかけて追撃をしてくるのを拳圧の障壁を使って邪魔する。
七大罪はラグア様のスキルでもある。
7体の悪魔の特性は熟知している。
現在、ジオの側から動いていない怠惰、傲慢、強欲の3体はサポート特化だ。
それ自体の戦闘能力は、今相手している3体よりも遥かにに劣る。
ジオに深手を負わせるにはまずアイツらを叩かなくてはならない。
特にダメージ無効の怠惰と、HP超速回復の強欲は潰しておきたい。
「ゴルドっ、5秒でいい。憤怒と暴食を抑えろっ!!」
エリスは叫んだ。
その言葉と同時にゴルドは動き出す。
正直、最近配下に加わったゴルドの実力はエリスにとって未知数だった。
だが、エリスの策はゴルドが憤怒と暴食を止められるかにかかっている。
エリス達の戦いは、いよいよ最後の激突を迎えようとしていた。




