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閑話ジオとシーラ


時は更に少し遡る。


〜獣人国家、ライカン帝国〜


ミグ一行はライカン帝国の城内にいた。


「ん?敵かな?なんかこの国の外に気配がするよー」


ミグが言った。


イシュトスが答える。


「魔王ラグアの手下だな。マズイな。邪魔される訳にはいかない」


「任せてよ。あたしが行って消してくるよ。」


ミグが転移をしようとするが、イシュトスがそれを止める。


「いや、待てお前はグロムスと話すのに必要だ」


今、ミグ達は既に城内で魔王、リオン・ガルオンとの謁見を待っている状態だった。

イシュトスにとってリオンごとき小物は、正直どうでもいい。

だが、リオンの配下にいるという転生者と鍛神グロムスは、なんとしても味方に引き入れたい。

その為には、ミグの神級スキル、黄泉の神は交渉の材料としてはこれ以上ないものだ。

つまりミグを同席させるのは、当然の話だ。

それに、イシュトスもこれから交渉する、グロムス達もそうだが、味方になればミグがいる限り、死んでも蘇る事ができる。

そして、その代償が王級スキルや帝級スキルと言うのも、破格の代償である。

神は神の権限により、他者にスキルを譲渡する事ができる。

最高神が作りだした神が生物に対し、干渉できないという制約は既に崩壊している。

それにミグは既にイシュトスと同じ上級神である。

制約が健在であったとしても、ミグにスキルを渡すのに困る事はなかった。


イシュトスは前回配下の下級神を捨て駒にしたが、これはただの足止めとしての意味だけではなかった。


固有スキル、神通…


このスキルの真価は神同士が連絡をとるだけのスキルではない。

一方が死んだ時、もう一方がそのスキルを受け継ぐ事ができる…


それを利用した、イシュトスのスキルの量はいまや膨大な量だった。

だが、このスキルはイシュトスが、持っていても意味がない。

下級神は神であり、神でない存在…

神格エネルギーは扱えるが、神級スキルは持っていない中途半端な存在だ。

手に入れたスキルは王級と帝級スキルの数々…

王級スキルなど自分で持っていても役に立たないし、帝級スキルも神としての、これ以上の成長が望めないイシュトスは帝級スキルを神格エネルギーに変換する事ができない。

本来なら、配下の下級神は全く意味のない無駄死にだった…


ミグがいなければ。


ミグにスキルを渡す事はイシュトス自身が、死なない為の保険でもあるが、回収した帝級スキルをミグ本人の神格エネルギーに変換させれば、ミグ本人を更に上位の神にする事もできるだろう。


だから、だからこそ、そんなミグを万が一にも、危険に晒す訳にはいかなかった。


イシュトスがミグを制止するために口を開こうとした時、それよりも早く言葉を挟んだものがいた。


「ミグ、ここは俺に任せろ。二度目はない」


そう言ったのはジオ・デストロイアだ。

その目は怒りに燃えていた。

何しろ、ジオはラグアに一度殺されている。

その事を考えれば、当然の事だった。


ミグは言う。


「えー、ジオっち1人じゃ心配だよー。あたしも行くよ」


その言葉に対して答えたのは、シーラだった。


「まあまあ、大将はドーンと構えてて。ミグがいればウチらに敗北はないんだから。ジオの事はウチに任せといて」


「シーラちゃんも行くなら大丈夫かな?……いや、やっぱり心配だよー」


ミグもミグで折れない。


だが…


「ねえミグ?そんなにウチらの事が信用できない?ウチ悲しいわ」


このシーラの一言が決定打となり、ミグは折れた。


「じゃー、俺らに任せとけ」


「サクッと片付けてくるよ」


こうして、獣人国家、ライカン帝国から2体の化け物が飛び立つのだった。


次回はエリスのお話です。

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