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第137話テレーズ帝国攻略戦4


シュドレは目の前の男の言葉に耳を疑った。

シュドレが勇者としてイメージするのは、亡き父親の姿だ。

だが、目の前の男はそのイメージから大きく掛け離れている。

確かにおそらく余裕で王級に至っているであろう圧倒的な力は感じる。

シュドレは男に鑑定を使う。


固有名 ジルド・スターク


種族 勇者(進化数1)


level1021


HP5500000000/5500000000


MP∞


力5200000000


耐久5600000000


俊敏5700000000


通常スキル


言語理解

洗脳level82

全属性魔法level67


固有スキル


MP無制限

不老

鑑定level31


王級スキル


犠牲の王

嘆きの王

外道の王


帝級スキル


(条件達成につき犠牲の王、解放時表示)


称号


伝説に迫りし者



シュドレはゼギウスの鑑定を使って固まる。


え?

鑑定壊れたか?

いや、ゼギウスさんの鑑定が間違えた事は今までなかった。

つまりこれは事実…

ステータスでは今のところは勝っている。

さっきの大量殺人の経験値で平均ステータスは、70億を超えている。


だが、不安要素は王級スキル、犠牲の王…

その効力は今まで失った同胞の数に比例した力を得る。

きっとジルドとか言うテレーズ帝国の勇者も、手に入れた時はゴミの様なスキルだっただろう。

だが、現在は最低でも自分が先程行なった、大量殺人のおかげで600万人からの死者が出ている。

更に今までジルドがあんなスキルがある以上、なんの犠牲も出さずにいたとは考えにくい。

と言うかあのどこまでも冷たい瞳は、仲間の命を自分の力程度にしか思ってないだろう。


鑑定で見えるスキルは基本的に会得した順が早い程、上に表示される。

最初に得た王級スキルがおそらく犠牲の王…


そして帝級スキル…

話にしか聞いた事がないが恐ろしい力を持つと言う。

その力を扱えるものはかなり限られる。

魔王ラグアに敗れた大勇者カダル・ミルレウスが帝級スキルに至っていたのは有名だ。

他には覇王、そして13魔王の第二世代と呼ばれる一部の化け物達…

リンガイア王国にいた頃に得られた情報はそれぐらいだ。

だが、ジルドは常時ではないとは言え、帝級クラスに片足を突っ込んでいるだろう。

そうじゃなければ、あんな表示は説明がつかない。

伝説に迫りし者の称号も、そう考えれば頷ける。


自分が討とうとしているラグアはゼギウスさんの話では、その更に上の神級クラス…

その話ではゼギウスさんもラグアには勝てないと言っていた。

ラグア…

父さんの仇…


シュドレは拳を握りしめる。


いや、今は目の前に集中しよう。

まず、勧誘を受けるかどうか?

ありえない。

それではせっかくラグアの懐に潜り込んだ意味がないし、ラグア本人、もしくは邪神エリローズ等がきたらこの国は確実に終わる。

強いとはいえ、どう頑張っても帝級クラスでは神級クラスには勝てない。

ちなみに、これはゼギウスさんの意見だ。


敵の力はおそらく自分を超えている。

王級スキルの温存?

できる訳がない。

ナメてかかったら死ぬ。

と言うかそれでも勝てなかったら、もう最後の切り札を使うしかない。

できればラグアと戦うまで温存しておきたかったが、ゼギウスさんの力を借りるしかない。

自分はラグアを倒すまで、死ぬ訳にはいかないんだ。

シュドレは言う。


「お断りだ。仲間を仲間とも思ってないようなヤツと戦うつもりはない」


言いながらシュドレは思う。

自分がラグアを討つためにしている行為も対して変わらないな。


シュドレはそんな自嘲気味な考えを振り払いつつ、目の前の敵に集中するのだった。


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