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第135話テレーズ帝国攻略戦2


さて…

シュドレは自分の前に並ぶ兵達を見回す。

ラグアの配下とは言え、今は自分の部下でもある。

無駄に死なすつもりはない。


シュドレは言う。


「まずは、開戦の狼煙をあげるぞ。シャリー、上空に魔法弾を放て。1時間後に攻撃を開始する」


「りょーかい」


シャリーは言われた通り上空に魔法弾を撃つ。

魔法弾は上空で爆発して光を放ちながらゆっくりゆっくり落下する。


シュドレ以外のラグアの幹部ならいきなり攻撃を開始するだろう。

その方が奇襲の利点を生かせる。

だが、シュドレはそれはやらない。

リンガイア王国の勇者で今でも尊敬している父…

そんな父の顔に泥を塗る様な行いはできない。

それは彼が父の墓前に誓った戒めだった。

ラグアは殺す。

その為に犠牲が必要なら仕方がない。

だが、父に顔向けできない様な事はしない。


シュドレは言う。


「バルダ、テレーズ帝国から降伏してきたものは必ず受け入れるんだ。お前には本陣に残り、そっちを仕切ってほしい」


「おう、任せろ」


バルダは答えた。

これも先程て同じ理由からのものである。



〜1時間後〜


現時点での降伏は0。

それどころかテレーズ帝国側は防衛を固め、完全に迎撃態勢である。


シュドレは思う。

まあ、当然か。

この時点で降伏者が出るなど士気に関わる。

まあ、この先はわからないが…


防衛している兵の数は約1000万…

それはエルライド王国全体のラグアの配下の数に匹敵する。

しかも、それをたった1時間で用意してみせたのだ。

国力自体はエルライド王国よりも上…

シャリーやバルダクラスの隊長格はゴロゴロいる。

さすがはアルムス中が戦争状態の異常事態にもかかわらず、今まで生き残ってきた人類最大の大国なだけある。

そして真に警戒すべきであろう勇者はまだ出てきていない。


対してこちらの軍勢はライナー軍、先鋒隊3隊合計約7

万…。

普通なら勝負にすらならない。

だが…

この程度を自分だけで蹴散らせない様ではラグアなどに勝てるわけがない。

まずは大技で敵に打撃を与えよう。

圧倒的な数で慢心している敵の士気を落とすにはこれが一番だ。


「ふうーっ」


シュドレは大きく深呼吸をする。

自分はこれから大量殺人者になる。

しかも、なんの罪もない人々を殺す。


「シュドレ…」


シャリーが心配そうにシュドレの背中に手を当てる。


「ありがとうシャリー。でも大丈夫だ」


シュドレは王級スキルの1つを発動させる。

これはエミリーに明かしたスキルだ。

王級スキル、四元の王…

これは四大属性、火、水、土、風のスキルを極めてはじめて身につく。

シャリーの全属性魔法程万能ではないが、威力は桁違いだ。


「発動、王級スキル、四元の王」


その瞬間、シュドレの体は4色の光に包まれるのだった。



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