第15話名前2
会議が始まって、エリスの口から出てくるのは、歴代勇者の名前とか、歴代の偉大な王の名前とかだ。
いやいやおかしいだろ。
俺絶対そんな名前やだよ?
勇者とか俺から1番遠い存在だろ。
俺、殺人鬼だし、ビビりだし。
エリローズ 「チグハグ感がいいですね。ギャップ萌えを感じます。この中から選んじゃいます?」
「選ばねーよ。そんな名前つけたらただのギャグだろうが?あ?」
「もっ申し訳ございません」
エリスが盛大に土下座する。
いやお前に言ってないんだけど、あっでもそもそも考えたのコイツだしな。
ちなみに普段は、こんなチンピラ丸出し喋り方の俺だが、ちゃんと敬語は使える。
逃亡生活中に世話になった裏社会の人達には、基本敬語だ。
ヤツらは利益よりも、面子を大事にする。
個人の力は俺の方が上だが、身内でも殺されようなものなら、俺を殺すまでヒットマンを差し向けるだろう。
冗談じゃない。
俺は殺すのは好きだが、殺されるのは嫌いなんだよ。
「ではラグアと言うのはどうでしょう?かつて魔物から唯一魔神まで登り詰めたお方です」
もうそれでいーや、俺は名前の決定を念じる。
エリローズ 「名前をラグアに決定しました。ちなみに本家のラグアは、魔神になって調子こいてたんで、私が血祭りにあげてこの世にいませんので、本家に気にする事なく名乗ってもらって大丈夫です。」
おい?今フラグたったよな?
やっぱ今のなし。
もっかい再考。
サ・イ・コ・ウ。
エリローズ 「一度決めた名前は変更できません。ではラグア様(笑)よろしくお願いします。」
だから(笑)じゃねーよ?
殺す。
ぜってえ殺す。
「もっ申し訳ございません。いっ命だけはお助けください」
殺気がだだ漏れだったらしく、エリスがまた盛大に土下座する。なんかコイツら2人揃うと、今までよりひどい事になりそうな気もするが、あのバカに命預けるよりは遥かにマシだ。
俺は女を殺そうとする考えを振り払う。
とにかく俺の名前は、不本意ながらラグアに決まってしまった。
まあ勇者とかお偉い王様とかよりは全然いいが。
エリローズ「あっ家名の方は後からでもつけられますよ?それとも今つけちゃいます?」
つけねーよ。
これ以上フラグ立たせてたまるか。
とにかく俺は名前も決まりエリスにこの世界の事をいろいろ聞く為に再び口を開く。
会議はまだ続く。
しばらく会話回しかやってない気が‥




