第121話ドワーフ国家ドーラス王国2
はじめて予約投稿をしてみました。
上手くいくかどうか不安です。
城門をくぐり抜けたカティア達はそのまま場内に入る。
カティアは少し心配になる。
この国はこれでいいのだろうか?
一応門番はいたが完全なフリーパスだ。
リース森林国の王城でさえここまでオープンではない。
エルライド王国など言うまでもない。
もしエルライド王国で城門を素通りしようものなら確実に警備兵に止められて身分証なり手続きなり城に来た目的なりかなりの時間をとられる。
抵抗などしようものなら、たちまち中隊長クラスの幹部達が集まってきて八つ裂きだ。
え?私?
もちろん顔パスです。
エルライド王国、国賓兼、特別王族の私を止める警備兵などいたら警備兵が八つ裂きになってしまう。
カティアは言う。
「セリー様、この国の警備はこれでいいのでしょうか?」
「カティア様、この国の警備は見た目はガバガバの様ですが、先程から鑑定スキルの気配を感じます。セルナースと私に対しては失敗したようですが…」
なるほど素通りさせて油断させたところで鑑定スキルで危険者を割り出しているわけか。
ん?
これヤバいんじゃないの?
ステータスは私しか見えなくてセリーとセルナース様は鑑定が失敗するような化け物。
私がこの国の王なら警戒度はMAXだ。
カティアは思った。
〜〜〜
その頃の5王達〜
「ねえ、ダスカー。3人中2人鑑定できないって完全にヤバいよね?」
5王の1人、キャリー・ドーラスと言う女が言った。
その見た目はただの幼女であるが、神魔大戦を生き抜いている時点で実年齢は幼女ではない。
むしろ5王達は魔王、ミュン・ゾフィスと近い世代だろう。
「いや、どうせ機械の不具合だろう。とりあえず俺の配下に相手させとけばいいだろ?」
5王の1人、エルク・ドーラスは言った。
ドワーフには珍しく髭の薄い若い男である。
見た目だけならかなりのイケメンだ。
「機械の不具合?誰が作ったと思ってるの?あたしが作ったアンドロイドに不具合なんかあるわけないでしょ!?」
そう言ったのは5王の1人、ウリン・ドーラスだ。
彼女もドワーフには珍しく中学生ぐらいの少女の見た目をしている。
「で?どーするんだダスカー。みんなは不具合かどうかで意見が割れているみたいだが」
5王の1人フォルン・ドーラスは言った。
ドワーフらしい髭は既に真っ白になり、その顔には深い皺が刻まれている。
端的に言うなら老人である。
彼は神魔大戦時点で既に老齢に差し掛かっていた。
いくら固有スキル不老でも過ぎた時までは戻せない。
まあ、戻せるスキルは存在するが通常スキル、固有スキルクラスには存在しない。
「ウリンが作ったアンドロイドに不具合はありえないだろう。ウリンの腕は儂らの中でもズバ抜けている。だが、エルクの配下を出すのはいい案だ。その鑑定ができない者達の目的と素性を訪ねさせる。早速指示を出してくれ」
5王、ダスカー・ドーラスは静かにそう言うのだった。