第119話レティス神国6
抑えていた神格エネルギーを開放したテオレームはまず時空崩壊を解除する。
レティスの時空崩壊のなくなったレティスの体が完全に再生する。
レティスは思う。
いける。
どう言う訳か知らないが攻撃が止んだ。
この好機を逃す手はない。
レティスは攻撃に出るが…
「発動、混沌の神、空間融合」
テオレームの体が周囲の空間と融合する。
その体に神格エネルギーを纏いながら…
時空崩壊を解除したのは空間融合をするためだった。
いくらテオレームでも、崩壊空間と融合などしたらまともに活動などできやしない。
今のテオレームは隔離したレティス神国の空間と完全に融合していた。
その気になれば内部の存在を神格エネルギーで押しつぶす事もできる。
神ではない存在に対してそれは死を意味する。
神格エネルギーに押しつぶされながらレティスは言う。
「これまでですか。皆さん申し訳ございません」
「まあ、神でもないにしては頑張った方だろ。俺に敵と認識させたんだ。誇っていいぜ?」
レティスはそのまま神格エネルギーに押しつぶされていった。
ふう。
そこそこ苦戦したな。
空間融合を解除しつつテオレームは思う。
………。
戦闘に集中していて気づかなかったが、先程から視線を感じる。
こりゃ見られてたな。
テオレームは完全崩壊したレティス神国で思った。
〜エルライド城〜
おー、すげー。
やべーなアイツ。
神級スキルにはあんな使い方もあるんだな。
まあ、俺ならやり合っても負ける事はないが、かなりの神格エネルギーを削られるだろう。
ん?
でもアイツ殺せば失った神格エネルギーは神級スキルの譲渡で補填できるか?
まあ、テオレーム相手の場合は死に損なないで逃げられるのが一番最悪だな。
神格エネルギーは削られる、神級スキルは手に入らない、いい事1つもねーわ。
まあ、今のところアイツは一応味方だし敵対した時にでも考えればいいか。
「ラグア様、お客様放ったらかしにして覗きですか?いい趣味してますね」
「あ?覗き?殺すぞ、クソアマ。ちっと待てや。俺は今忙しいんだよ?」
「テオレームなんか見てると目が腐りますよ。そんなバカ放っておきましょう」
「だから俺は今後の為に勉強中なんだよ。お客様ってあの厨二野郎だろ?ちっと待たせとけ」
「仕方ないですね。ではしばらくお客様の相手は私がしてきますね」
「てか、もう終わったわ。あの厨二野郎連れて来いよ」
「………。相変わらずいつものラグア様ですね」
勇魔王アレス・ニースを拉致したエルライド城ではそんないつものやりとりが繰り広げられているのだった。




