第117話レティス神国4
「敵、テオレーム・クリムゾン。勝率34.8%。全軍総攻撃を開始します」
天使の軍勢の指揮官の1人が言った。
勝率34.8%?
つまり俺が誰だか分かっていながら勝てないまでもそこそこ戦えると思っていると言うこと。
面白い。
テオレームは言う。
「来いよガキ共。俺が遊んでやるよ」
テオレームと天使の軍勢はぶつかる。
レティス神国をアルムスから切り離したのは神級スキルを使う為でもあるが威力が高すぎて使えなかった帝級スキルを使う為でもある。
帝級スキルには試してみたい技もある。
「雷帝、ライトニングハザード」
テオレームの右手から雷撃の嵐が吹き荒れる。
同じ帝級スキルでもハザード系はバースト系とは違い全力で放てば惑星そのものを破壊しかねない。
惑星を破壊しかねない帝級スキルをあげるなら例えば、ラグアの土星帝の超新星爆発。
例えば、ミグの魔導帝のマジックハザード。
他にもあげればあるがこれらの技は惑星の耐久度を大きく超えている。
そしてテオレームの雷帝もこの類だった。
これで死ぬ様ならそれまで。
生きていたとしても国ごと吹き飛ぶ。
さあ、どうする?
「プラネットガード」
レティスが言うとレティス神国全体に薄い障壁が現れた。
ライトニングハザードとその障壁は激突するが…
防がれた。
天使の軍勢も無傷だ。
当たった瞬間ライトニングハザードは霧散した。
つまり威力が足りない訳ではなく、帝級スキル自体を無効化していると言う事…。
ならば次だ。
天使の軍勢の一体に神格エネルギーをのせてぶん殴る。
天使は一撃で爆散した。
これは効くみたいだ。
だが、神格エネルギーの増加どころか帝級スキルの譲渡すらない。
どうゆう原理で帝級スキルを防いでいる不明だがこれは通用する様だ。
なら神級スキルはどうだろうか。
さすがにこの数をぶん殴って倒すのはキツイ。
できなくはないが面倒だ。
「発動、混沌の神、阿鼻叫喚」
テオレーム周辺の天使の軍勢が一瞬で消滅する。
どうやらこれも効く様だ。
だが、距離をとっていたレティスとその周りにいる他とは別格の力を持った10体程の天使は全くの無傷だ。
レティスは言う。
「さあ、絶え間なく攻め続けるのです。彼に休む間を与えてはなりません」
開きっ放しのヘヴンズゲートからはまだ絶え間なく天使が押し寄せている。
それは無尽蔵を思わせる程の数だ。
帝級スキルは通じないが神級は通じる。
だが、いくら神級スキルを使ってもさすがにこの数は面倒だ。
これはやり方を考えないと長引きそうだ。
テオレームは思うのだった。




