第115話レティス神国2
雷帝のライトニングバーストを防いだと言う事は最低でも帝級クラスの防御スキルが発動していると言う事だ。
下位魔王ごときが帝級スキルを持っている?
まあいい。
これでようやくまともな仕事になった。
テオレームは言う。
「ほう。レティスだったか?思ったよりやるな。そして俺は2代目ラグア殿の配下ではない。俺はエリローズ様の忠実なる下僕、テオレーム・クリムゾンだ」
テオレームの言葉にレティスは目を見開いく。
亜神テオレーム・クリムゾン…
アルムスの創世記から生きている3人の化け物の1人。
その内ソドム・グラファルは最近死んだと言う話は聞いたが定かではない。
アレを殺せる様な存在などそうそういない。
勝てるだろうか?
いや、勝てなければ終わりだ。
レティスは思った。
13魔王内序列第11位レティス・ラファエル。
彼女の実力は13魔王の中では下位に位置する。
例えば13魔王内序列第9位堕天魔王リリス・ヘヴンと比べてもその実力は遥かに劣る。
13魔王の序列は例外を除いてそのままの実力差なのだ。
だが、それはレティス単体での話だ。
堕天使であるリリスと違いレティスは天界の力を借りることができる。
レティス神国にはこの日の為に多くの天使達を呼びよせている。
ラグアの存在は天界の脅威でもある。
天界の最高戦力を借り受けるには十分すぎる理由だった。
借り受けた戦力の中には天使王クラスも何人かいる。
他の天使達のサポートがあれば帝級クラスにはまず負けない。
だが、それで神に勝てるかと言うと正直微妙なところだ。
天界の最高戦力は無敗の強さを誇るが、神級クラスとは戦った事は今までなかった。
テオレームが来たのは正直予想外だったが、ラグア本人が来る事も想定していなかった訳ではない。
だが、ただの下位魔王である自分のところにラグア本人が来る可能性は薄いと踏んでいた。
神級との戦い。
正直どうなるかわからないがやるしかない。
勝利条件は撃破。
撃退ではダメだ。
テオレームをそのまま帰したら今度は確実にラグアかエリローズもしくはその両方が来る。
そうなると今より最悪な状況になる。
コイツはここで殺さねばダメだ。
ここでテオレーム殺せば神級スキルを手に入れラグア達に対抗できる。
レティスは覚悟を決めた。
「開け。天界の門よ。出でよ神の子供達よ。我が言葉、今は亡き聖神様の命題として力をもたん。ヘヴンズゲート」
レティスが叫ぶと天界の門が開き、数え切れない程の天使の軍勢が出現するのだった。




