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第113話勇王国アレス・ニース2


「おい、アレス様に報告しろ。俺達じゃどうしようもないぞ」


「冗談じゃねーよ。ラグアって言えば13魔王を1人で半壊に追い込んだ化け物じゃねーか」


「おまけに創造神の1人までついてやがる。門を開けろ。俺らじゃ足止めにもならねえ」


なんか俺そこそこ有名人みたいだな。

つーか13魔王は半壊どころか今回の侵攻で壊滅だろ?

まあいいや。


俺達は勝手に開いた門を通る。


「警報、緊急避難警報っ」


街が騒がしいな。

そこまで騒ぐかよ?

てか街の中もひどい趣味だわ。

この石像壊していいかな?


俺達は誰にも邪魔されず城の前まで辿り着く。


「門を開けろ。こうなったらアレス様に頼るしか道はない」


うん、ここも顔パスみたいだわ…




〜勇王国アレス・ニース王城、謁見の間〜


この城の主人アレス・ニースは玉座に座っていた。

その時配下の1人がやってきて言う。


「報告します。魔王、ラグア・エルライド襲来。この事態を収拾出来るのは最早アレス様しかいないかと?」


アレスは配下の言葉に耳を疑った。

は?

何コイツ?

頭わいてるの?

事態の収拾?

どうにもなる訳ないだろ。

さっき避難警報出したし後は知らん。

俺どこにでもいる平和な日本の中学2年生だよ?

ってそれは80年も前の話か。

いや、ふざけてる場合じゃないけどさすがに無理じゃね?


今から約80年前に勇者として召喚された時は、マンガやゲームの様なこの世界にワクワクしていた。

そして召喚者特典のチートスキルでしばらくは無双もできた。

俺を召喚した国と敵対していた野良魔王を激闘の末なんとか撃退し俺はこの国の英雄になった。

当時の国王の娘と婚約し、この国の名前を俺の名前に変更したのもこの頃だ。


だが、俺の時代はここまでだった。

あの頃の俺は完全に調子に乗っていた。

当時13魔王内序列第12位、リオン・ガルオンを死闘の末、瀕死にまで追い込んだまではよかった。


13魔王…

マジで化け物の集まりだった。


「問う。人間の勇者よ。妾達と共に世界を動かす同胞となるか?それとも敵対か?」


第ニ世代と言われる13魔王を実質的に動かしてる3人は本当の化け物だった。

勝てる勝てないではない。

指先だけでこちらの命を消せるのではないか?

そう思わせる程の存在…。

序列が10位までの魔王はまだもしかしたらって可能性もあるだろう。

だが、それより上の魔王は力の次元が違った。

俺の答えは1つしかなかった。

俺は当時13魔王内序列第4位、ミュラ・ゾフィスの提案を受け入れて魔王となった。


そんな化け物の集まりだった13魔王をたった1人で半壊させた化け物。

しかも第ニ世代の1人を殺してだ。

もうダメだ。

逃げるしかない。

俺は玉座から立ち上がる。


「「おおっ」」


何を勘違いしたのか配下達がどよめいたが知らん。

俺は逃げる。

こんな国もう知らん。


その時だ。


「わざわざ出迎えてくれるのか?それはありがてえが、できればこんな悪趣味じゃねーところがいいな。俺の国へ来いよ?」


こうして、勇魔王アレス・ニースはラグアに無理矢理、転移させられるのだった。


次回はテオレームのお話です。

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